クロポトキンと釣りがしたい。

先日、〈宇奈月小学校フライ教室日記〉著者の本村雅宏さんと、都内の神保町で会った。

歩道を歩きながら、発端は忘れたが、なにかの流れでトロツキストだかアナボルだか、そういう話題になった。さいきん黒づいているわたしが、相互扶助にもとづく農本主義だとかなんだとか、クロポトキンが説いたユートピア社会の浅い知識を口にした。

すると、本村さんがすかさず「それって鼓腹撃壌だよね。」とひとこと言った。鼓腹撃壌なんて単語、中学校のとき以来で聞いた。さすが本村さんはものほんの先生だ。そうです、そうです、と大いに納得したわたしは、歩きながら膝を打ったのだった。ちょっと跳び跳ねるような感じで。たしか救世軍のビルの前あたりだったかな。

そのときわたしの脳裏に浮かんだのは、こんな景色だ。

気の合った仲間が集まって、それぞれ持ち寄った美味しいものを分けあって勝手に食べ、お腹いっぱいになったころ、カゲロウのハッチが始まりふわふわと飛びかいだしたと思うと、パシュッ、パシュッとそこらじゅうでライズの雨となり、いい魚をでかいドライフライでバンバン入れ食いさせて、ヒャッハー!と喜んでいる、最高なフライフィッシングの一日である。

なんだ、ユートピアはここだった。

クロポトキンと釣りがしたい。

教えてあげたいことがある。

ところで、プリンタはなぜ毎年いちばん必要な年末を狙って調子が悪くなるのでしょう。

『葛西善蔵と釣りがしたい』(堀内正徳)
『葛西善蔵と釣りがしたい』

近刊 『ムーン・ベアも月を見ている
 クマを知る、クマに学ぶ』(仮)
(山﨑晃司=著) 本体予価1700円


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〈フライフィッシングの会〉さんはフライフィッシングをこれから始める新しいメンバーに『水生昆虫アルバム』を紹介しているという。上州屋八王子店さんが主催している初心者向け月一開催の高橋章さんフライタイイング教室でも「水生昆虫アルバム」を常時かたわらにおいて、タイイングを進めているとのこと。初版から21年たってもこうして読み継がれている。版元冥利に尽きるとはこのこと。 島崎憲司郎 著・写真・イラスト 水生昆虫と魚とフライフィッシングの本質的な関係を独特の筆致とまったく新しい視点で展開する衝撃の一冊。釣りと魚と自然にまつわる新しい古典。「新装版 水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW」