急速にヤマメが釣りたくなってきた。オイカワ成分は連日沸騰しているが、今季の自分にはヤマメ成分が足りない。即刻補給せねば機能停止してしまう。
昨日は事前情報なし、経験と信念と野性のカンを頼りの、探釣行と気取ってみた。
といっても、都内から片道2時間以内の近場。橋まで車で横づけできる。が、まず人間はいない。魚も多くはない。きっと。
次の第117号の記事にも書いたが、今はたまの休日に渓流釣りの釣り場に困らない。
いい時代だ。
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よく知らない釣り場で最初に結ぶパイロットフライは、以前はみんな大好きエルクヘアカディスで、その前は昔なつかしブラウンパラシュートだった。近年はマシュマロ・スタイルの各種が定番になっている。このときもマシュマロだった。ただ状況に応じて微妙にパターンは変えている。
先日の秩父の中津川でも、釣り始めからマシュマロを結んだ。さっそくいい魚を釣って、内田さんにフライを聞かれたので、ティペットの先っちょを見せた。すると「なんだい、もうマシュマロだったんけ!」と新緑の渓流で大きな声で呆れられた。
「最後に結ぶフライがなくなっちゃうでしょう!」とも言われたが、パイロットフライと考えれば、いちばん信頼をおけるフライを結ぶにしくはない。
たしか「ストップ!!ひばりくん!」だか「マカロニほうれん荘」だかで、ウルトラマンはなぜ怪獣登場と同時にスペシウム光線を出さないのかという素朴な疑問へ、「ウルトラマンはプロレス好きなんじゃないですか」、「マゾなんじゃないですか」と登場人物に答えさせるシーンがあった。
当時中学生だったわたしは、マゾという大人の概念を知らなかった。今は知ってる。カブラーに振り回されているときなど、多少その気があるような感じがしないこともないけれど、基本わたしはマゾではない。そしてプロレスは好きである。
最初っからマシュマロのパイロット光線をぶっぱなし、スリーカウントを狙う。
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午後は川を変えてヤマメ成分を補給。
まだ明るいうちに流れのど真ん中で堂々とライズしていた尺ヤマメは、間違いなく小さい何かを食べていたのですけど、こっちも堂々とマシュマロ結んで、あとはキャスティングで釣った。とりあえずマシュマロついてればなんとかなるみたい。
釣っておいて言うのもなんだが、魚がうじゃうじゃいて釣り人の姿が絶えない、釣り公園みたいなこの川の尺ヤマメを10本釣るより、午前中のたった一匹のアマゴのほうが記憶に残ると思う。釣りとはそういうものだ。
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次号第117号では最新〈全国リリース釣り場カタログ〉をつくった。利用者目線での本音が満載だ。今までこういうものはなかった。便利で楽しいはず。
公園みたいな川もあっていいし、数は少ないけれどきれいな魚がいる川もあっていい。選べるほうがいい。ただ混同しちゃいけない。主役は川だ。
川によって、性格とかタイプがそれぞれ異なり、それぞれにふさわしい利用形態も違う。かつ、時間とともに変化する。
そんなことも伝わればと思います。
「ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」