また研修へ行ってきました。
天候も気温も水量も上々なのに、昼間はもちろんイブニングも虫っ気ゼロ。自然の厳しさを思い知らされました。
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小雨模様の林道を車でゆっくり移動していたら、ひょっこり、クマがいました。
わりと近距離。
子熊を二頭連れていました。見た目は全員、真っ黒。
車に気づいた母グマが瞬時に、林道脇の谷側の茂みへズボッと入って消えました。
続いて子熊たちがズボッ、ズボッと消えました。
驚かしてすみません。
ほんのちょっと前に、わたしは車を降りてその谷をのぞきこんでいたのでした。
真っ昼間に逢うと思いませんでした。
やはりおもしろ楽しいクマ本『ムーン・ベアも月を見ている』をつくったおかげで、クマ臭が。。。
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第二章
世界のクマ、日本のクマ
日本のクマは2種類、どこから来たか
日本に生活するクマは2種類、北海道にヒグマ、本州と四国にツキノワグマだ。九州のツキノワグマは、最近になって、環境省により絶滅宣言がなされた。四国のツキノワグマも極めて危機的な状態にあるのだが、これらについては項を改めて紹介したい。 日本のクマ類の系統はどうなっているのであろうか。…
三日月状の白い斑紋があるから「ムーン・ベア」
… ツキノワグマは、西アジアから極東にかけて分布する中型の森林性のクマだ。台湾や海南島などの島しょにも分布する。体重はオスで100~200㎏程度、メスで50~100㎏程度だ。日本のツキノワグマは、大陸産に比べて一回り小型である。アジアクロクマ、ムーン・ベア(moon bear)とも呼ばれる。
ムーン・ベアは、胸部に三日月状の白い斑紋を持つことを示す名称である。〝ツキノワグマ〟は、日本だけでなく、お隣の韓国でも使われている。
少し前に、国際自然保護連合(IUCN)の種の保存委員会のひとつの分会である、アジアクロクマ専門家委員会で提案がなされた。ミネソタ州野生動物局職員であり、委員長のデーブ・ガーシェリス博士が、「アジアクロクマという呼び名は、この種の保全のためにいかにもインパクトがなさ過ぎる。」と前置きをして、「これからは、種の特徴を示すムーン・ベアとしよう。」と切り出したのだ。…
(『ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマに学ぶ 現代クマ学最前線』(山﨑晃司)P.28)
「ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」