【公開記事】人が作る虫、博物館のフライ|茨城県自然博物館のシマザキフライズ

フライの雑誌-第94号〈2011年9月25日発行〉から、カラーグラビア、「人が作る虫、博物館のフライ|茨城県自然博物館のシマザキフライズ」を公開します。この時の出会いから、のちの『ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線』(山﨑晃司著)が誕生しました。

人が作る虫、
博物館のフライ

Adventures in the Insect World
The Wonderful Trip of Takeru and Kay
2011.7.9 ─ 9.19
IBARAKI NATURE MUSEUM
with Kenshiro Shimazaki

2011年夏、
茨城県立茨城県自然博物館の企画展で
島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム』と
新作シマザキフライが展示された
タイトルは〈人が作る虫〉─

●茨城県坂東市の〈ミュージアムパーク 茨城県立茨城県自然博物館〉で今夏〈昆虫大冒険 タケルとケイの不思議な旅〉という企画展が開かれた。会期中は常に満員御礼。島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム』と新作シマザキフライがその特設コーナーで展示された。

●経緯はこうだ。茨城県自然博物館首席学芸員の山﨑晃司さんは、島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム』に以前から感銘を受けていた。博物館で昆虫展をするなら、ぜひ『水生昆虫アルバム』とシマザキフライのコーナーを作りたいと考えた。

●「真の観察者としての視点や釣りに限らない発想の面白さに惹かれています」とは山﨑さんの島崎憲司郎さん評だ。山﨑さんは本誌連載〈シマザキ・ワールド〉の読者でもある。

●当初は『水生昆虫アルバム』のパネル紹介とストックフライを展示するだけの予定だった。だが山﨑さんの真摯なアプローチに島崎憲司郎さんが応えた結果、指の怪我が完治していないにもかかわらず、新作シマザキフライが〈昆虫大冒険〉のために提供された。

●モチーフはモンカゲロウとヒゲナガカワトビケラ。今回のフライは、夏休み中の来館層を意識してタイイングされたという。「この毛鉤を見て誰か一人でもフライフィッシングに興味を持ってくれたらうれしい」と島崎さん。

●ブースでは毛鉤を単に飾るのではなく〈毛鉤の行動展示〉と呼ぶべき斬新な展示方法が採用された。本物の昆虫が並ぶ自然博物館の特別企画展にラインナップされて、〈人が作る虫〉は異彩を放った。

●観察と実証に裏打ちされたシマザキフライならではの独創がそこにあった。(堀内)

cf.1 茨城県自然博物館で島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム』とシマザキフライを見てきた。

cf.2 島崎憲司郎さんの〈毛バリの生態展示〉のタネが宮崎へ飛んで芽を出した。

フライの雑誌-第94号から

「ある日の毛鉤箱」と題して島崎さんのフライボックスも展示された。拡大鏡でのぞく。

博物館は都心から車で30分。夏休みの子どもらがシマザキフライに見入っていた。

企画した首席学芸員(当時)の山﨑晃司さん。専門は動物生態学と保全生態学。現在は東京農業大学教授。著書に『ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線』など多数。

山﨑さんのリクエストにより、『水生昆虫アルバム』からヒゲナガカワトビケラとモンカゲロウの2種がピックアップされ、島崎さんが新しくフライをタイイングして博物館へ提供した。二人の発案による世にも珍しい毛鉤の「行動展示」がこれ。水生昆虫への徹底的な観察のもとに書かれた『水生昆虫アルバム』の背景を物語る展示方法である。手前に水生昆虫の生活シーンにマッチさせたフライと解説、背後にフライそのものを水に入れた水槽を並べた。釣りに使うフライは水との関係性において本当の実力を発揮する。これらのシマザキ・フライは約2ヶ月以上にわたり水面もしくは水中において、島崎さんがあらかじめ想定した姿勢や効果を維持しつづけた。

ダイビングカディス(ヒゲナガカワトビケラ・♀アダルト)TMC200R #6
ヘアラーバ(ヒゲナガカワトビケラ・ラーバ)TMC2312 #6 (額装フライの一部)
ソフトピューパ(ヒゲナガカワトビケラ・ピューパ)TMC2499SP-BLB #10
ソフトFニンフ(モンカゲロウ・フローティングニンフ)TMC2499SP-BLB #10
ソフトドレイク(モンカゲロウ・ダン)TMC2499SP-BLB #12
ハックル・ドライフライ2例(ヒゲナガカワトビケラ・アダルト)TMC2312 #6 #8
フェザー・スピナー(モンカゲロウ・スピナー) TMC2499SP-BLB #10

今回のヒゲナガフライをアレンジしたフレームアート。ひと目で島崎さん作とわかる仕上がり。

『水生昆虫アルバム』は初版から新装版まですべて展示された。本文で使用されている写真が大きく引き伸ばされてパネル展示された。

フライの雑誌-第94号から

フライの雑誌-第94号から

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フライの雑誌-第118号|フライの雑誌 118(2019秋冬号): 特集◎シマザキ・マシュマロ・スタイル とにかく釣れるシンプルフライ|使いやすく、よく釣れることで人気を集めているフライデザイン〈マシュマロ・スタイル〉。実績ある全国のマシュマロフライが大集合。フライパターンと釣り方、タイイングを徹底解説。新作シマザキフライも初公開。永久保存版。|島崎憲司郎|備前 貢|水口憲哉|中馬達雄|牧 浩之|荻原魚雷|樋口明雄

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ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」 ※ムーン・ベアとはツキノワグマのことです

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フライの雑誌 117(2019夏号)|特集◎リリース釣り場 最新事情と新しい風|全国 自然河川のリリース釣り場 フォトカタログ 全国リリース釣り場の実態と本音 釣った魚の放し方 冬でも釣れる渓流釣り場 | 島崎憲司郎さんのハヤ釣りin桐生川

フライの雑誌-第116号 小さいフライとその釣り|主要〈小さいフック〉原寸大カタログ|本音座談会 2月14日発行
フライの雑誌 第115号 水面を狙え! 水生昆虫アルバム〈BFコード〉再
フライの雑誌-第114号特集◎ブラックバス&ブルーギルのフライフィッシング シマザキフライズへの道 島崎憲司郎
フライの雑誌第113号特集◎釣り人エッセイ〈次の一手〉|〈SHIMAZAKI FLIES〉の現在AMAZON
フライの雑誌-第111号 よく釣れる隣人のシマザキフライズ Shimazaki Flies
島崎憲司郎 著・写真・イラスト「新装版 水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW」
〈フライフィッシングの会〉さんはフライフィッシングをこれから始める新しいメンバーに『水生昆虫アルバム』を紹介しているという。上州屋八王子店さんが主催している初心者向け月一開催の高橋章さんフライタイイング教室でも「水生昆虫アルバム」を常時かたわらにおいて、タイイングを進めているとのこと。初版から21年たってもこうして読み継がれている。版元冥利に尽きるとはこのこと。 島崎憲司郎 著・写真・イラスト 水生昆虫と魚とフライフィッシングの本質的な関係を独特の筆致とまったく新しい視点で展開する衝撃の一冊。釣りと魚と自然にまつわる新しい古典。「新装版 水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW」
『葛西善蔵と釣りがしたい』
「葛西善蔵生誕130年特別展」に展示。『葛西善蔵と釣りがしたい』