19世期半ば、『森の生活』のソローさんは、生真面目で不機嫌そうな髭面の肖像画と、大時代的でまわりっくどい物言いから、ものすごい偏屈なお年寄りのイメージだ。
実際はソローさんが米国北東部マサチューセッツ州にある、ウォールデン池のほとりの丸太小屋で暮らしはじめたのは、27歳のときだった。若い。ちなみに小屋は自分ひとりで建てた。
ソローさんは森に引きこもっていた人のイメージが(勝手に)あるが、森で暮らした期間は、きっかり2年2ヶ月と2日だ。
ソローさんにとって自給自足(ちょっとあやしいらしい)の森の生活は、生活と思考のリアルな実験だった。
森から帰ってくると、文章を書いたり、戦争に反対して税金を払わなかったりしているうちに、体調をくずして、44歳で亡くなった。
体力はだいじということだ。
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