『海フライの本3』ができたとき、実家や友達に誇らしげに配っていましたが、もらった方も配った方も中身は理解不能だった。それでも「お父さんがなんかすごい本を書いた。」と自慢していました。
堤防海フライの開祖・中馬さんの奥様の、このエピソードが大好き。(第120号連載に掲載)
本当に力のある書籍は、手にとった方が理解したかどうかとは関わらず、〝なんかすごい。〟と思わせる迫力を、内包しているものだと思っています。たぶん書籍に限らず、芸術でも科学でも同じでしょう。
その筋を極めた方はもちろん、その筋ではない方が手にとってくれても、〝なんかすごい。〟と思ってくれる本や雑誌をつくりたいと、常々思っている次第です。
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フライの雑誌社では、ここに来て日々の出荷数が増えています。「フライの雑誌」のバックナンバーが号数指名で売れるのはうれしいです。時間が経っても古びる内容じゃないと認めていただいた気がします。そしてもちろん単行本も。
島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW』は各所で絶賛されてきた超ロングセラーの古典です。このところ突出して出荷数が伸びています。