ブユは怖い話

アウトドア流行りのイメージ先行からか、肌を露出して野外へ繰り出す人をよく見かける。

下はこのあいだ、若者カップルが釣りしていた現場の写真。彼氏はバカ長にエサ竿。娘さんは半袖生脚短パンに、ニーブーツ。明らかに(釣りやってみてます。)な風情の二人だった。

心配したのは、この川名物の凶悪ブユだ。咬まれると死ぬほど痒いし痛いし、何よりアナフィラキシーショックが怖い。楽しげなところへおじさんがわざわざ近づいていって、ブユに注意しな、なんて言って邪魔するのもな、って躊躇して声かけず。ごめん。

むかし、フライを始めたばかりの友人と、鹿留で釣りをした。その帰り道、友人が激しい頭痛、嘔吐、高熱、全身震えのショック症状を発現させた。友人は短パンで一日釣りしていた。ブユに何十箇所も咬まれた両脚が、象の足のように腫れて赤く熱を持っていた。ブユやばいよ、って何回も言っていたのに。(大丈夫)とか言って無視するから。

国道20号沿いの「藍屋」の駐車場でしばらく休憩してもよくならず。仕方なく、わたしがやつの改造黒ソアラ(前見えねえ)を運転して中央道で帰る羽目に。友人は狭いソアラの窓全開で苦しんでいた。前見えねえのでフラフラ走っていると、いかにもやばそうなヤン車に後ろから煽られた。やめて。そういうんじゃないです。吐瀉物引っかかるよ。

なんとか自宅へ送り届けた友人は、翌日も寝込んだとのこと。いま思うと、あれは救急病院へ駆け込んでもよかったレベルだった。虫刺されが酷くなるかどうかは体質による。生脚短パンの娘さんは無事だったと思いたい。

ほんとブユ怖いです。

釣道楽』の坂田潤一氏は、「毎年、シーズンの初めにはわざとたくさん咬まれるんだあ。そうすると抗体できて、あとは全然かゆくないよ。」とのたまいますが、人じゃない(クマに近い)彼の意見は参考になりません。

逢魔が刻はブユ天国。「たそがれは逢魔の時間」は名作。

こっちの川にはブユはいないのはありがたい。

フライ先行で着水させると、スレづらい。たくさん釣れます。

ソフトハックルでもクロスオーストリッチでも、ほとんど着水と同時に出てきます。

〈フライの雑誌〉第122号を発行しました!

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春はガガンボ号 ガガンボは裏切らない。 頼れる一本の効きどこ、使いどこ 

『フライの雑誌』第120号(2020年7月20日発行) 特集◎大物ねらい 人は〈大物〉を釣るのではない。〈大物〉に選ばれるのだ。|特集2 地元新発見! The new discoveries around your home

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