2016年の年明けは、フライフィッシングとは関係あるような、ないような、たぶんあんまり関係なさそうな、ワカサギのエサ釣りの話題から。
2000年代初頭、富士五湖・河口湖のワカサギは、シシャモよりもデカいというので有名だった。まるで他の湖のワカサギをなめてるかのような、ぶっちぎりのデカさだった。しかもそれがへたすると10束(1000匹)近く釣れる。もう異次元のウハウハである。
ところが、河口湖のワカサギは、2009年を境にぱったり釣れなくなった。原因は分からない。魚はいる。「魚探にはびっしり映るんだけど、口を使わないんだよねえ」という漁協の方の嘆きを、何度耳にしたことか。山梨県の水試も、釣れない理由が分からないと言っていた。一説によると、河口湖の湖底にミジンコがとんでもなく大量にわいている状態なので、ワカサギがミジンコを飽食している。それで釣り針に刺さったアカムシや紅サシなどには目を向けないのでは、ということだった。
それまで河口湖のワカサギ釣りが好きで通いこんでいたわたしは、釣れなくなってからも、しつこく通っていた。一日奮闘してたったの20匹や30匹、果ては10数匹といった貧果でも、半分意地になって通い続けた。贔屓の芸人がすこし調子が悪いからと言ってすぐ袖にするのでは、粋な旦那とはいえない。だがワカサギに振られつづけること数十回を重ね、2010年の3月末でついに〈ワカサギ釣りでボウズ〉を食らうに至り、さすがのわたしも「河口湖はしばらくいいや。」と見限ったのであった。飽き性のわたしにしては、粘った方だと思っている。
河口湖好きなわたしは、河口湖のワカサギが釣れなくなってからも、もちろんずっと状況のチェックだけはしていた。河口湖漁協の知り合いやボート屋さんへの取材は常に欠かさなかった。いつかまた、あの素晴らしいワカサギ釣りを楽しめる河口湖に戻ってくれるに違いないと心に念じていた。
そしてようやくとうとう、2015年-16シーズン、ついに河口湖のワカサギ釣りが復活した。
安心してください。
河口湖のワカサギ、釣れてますよ。