フライの雑誌-第45号

フライの雑誌第45号
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私の代表的な4月フライ

わが国のヤマメやイワナその他の渓流魚の釣り場(湖も含め)の黄金時期は、なんと言っても5月と6月。この 2か月間は全国的にあちらの釣り場もこちらの釣り場もヨロシイ状況となる傾向があり、体ひとつでは足りない思いをする季節でもある。そこへいくと、たとえば関東の場合、「解禁はまだか…」と釣り場への思いばかりふくらんで迎えた3月は、いざドアが開いてみると、思いのほか釣りになる釣り場は少ない。

で、4 月。ベテラン諸氏はこの月いったいどのような釣りに触手を向けられているのか? フライを見ればその人の狙うべき状況も見えてくる。というわけで、やがて来る4月を想定して、そのとき使うであろう4月の代表的なフライを、全国18人の方々に1本ずつ、ご紹介いただいた。

税込価格1,250円


INDEX

021 スタンダード・フライタイイング図説16 セオドア・ゴードンとクイル・ゴードン再び キャッツキル・ドライフライ1 備前貢
010 特集◎私の代表的な4月フライ 私の代表的な4月フライ 河口のアメマスを狙う スカッド 工藤宏明/ユスリカなどにライズするアメマスを狙う セレンディプティ 広瀬靖彦/風に流されて水面に落ちたカワゲラが食われているときに使う CDCカディス 千葉孝弘/緩い大きな流れのライズを狙う CDC・ブルーウイング・オリーブ 松田洋一/小さな魚のライズにとらわれず大物を狙う スプリング・スピナー 阿部 勉/ハッチ、ライズ、強風の三条件が重なったときに使う キール・バラダン 長谷川久芳/ガガンボが食われているときなら散発的なライズでも効果絶大 ATガガンボ 野々垣洋一/ハッチが少なくニジマスが右往左往しているようなときに使う ニジマス・キラー カブラー斉藤/コカゲロウのスピナーへのライズを狙う コカゲロウ・CDC・スピナー 橋本直男/胃の中のエルモンヒラタの存在につけ込んで使う エルモンヒラタ・イマージャー 角 敬裕/水面下のユスリカの釣りに使う ユスリカ・ピューパ 樋渡忠一/困ったときの切り札として使う セッジ・パラシュート 井出高秀/水面膜付近でアカマダラが食べられている状況下で使う アカマダラ・スペント・ダン 青島芳直 /いろいろな虫が複合してハッチしているときに使う ヘアウイング・パラシュート 稲葉修一/水面直下のオオユスリカのピューパを吸い込んでいるイワナを狙う オオユスリカ 備前 貢/手も足も出んライズを狙う バックファイヤー・ハネオチ 田中典康/暖かい春の雨にやる気を出したアマゴを狙う エルクヘア・カディス 澤良木亮一/水面直下に流して、スレた魚を狙う ビーズ・ピューパ 渡辺貴哉
028 異論・反論 キャッチ・アンド・リリース区間は釣り人の意識改善と釣り場改善がなされるまで絶対必要 本野道明/「CRは必要だが、CR区間は不要である」という声に反論する 石井利明/「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」式のCR区間批難 村川堅一/「レジャー権」管理が理想なのではあるまいか 上村 司/レギュレーションには生物学的根拠が必要 上田真久
048 大見川の一年 ユスリカへのライズを釣ることは、フライフィッシングの特権 森村義博
057 フォト紀行 モンタナ・アルバム 阪東幸成
064 優しき水辺 37 斉藤幸夫
068 隣人のフライボックス 45 高橋秀知
075 釣り人はちょっと工夫する 2 身の回りにある素材をフライマテリアルにする 東 清美
076 釣り人の経済学 2 一番お得なハックルケープは、どれだ 堀内正徳
078 10人に聞きました あなたが使っているドライフライ用ハックルは何ですか?
081 なぜ、バンブーロッドなのか 阪東幸成 vs 湯川豊
088 子どものフライフィッシング 10 マモルの肖像 2 本村雅宏
092 オレゴンの日々 4 ああ、ひとりで釣りに行きたい… 谷 昌子
094 雛人形 平谷美樹
097 インフォメーション 編集部
098 カブラー斉藤の人生にタックル 2 カブラー斉藤
102 アメリカに学べ 「川の自然をいかすアメリカのレクリエーション」に紹介されている、アメリカの凄さ
105 ふらいだ・ばーちゃる劇場 16 そこんとこ、シンキング・プリーズの巻 毛針田万作
106 アゴなし魚雷の逆襲 黒石真宏
110 多摩川水族館 20 多摩川ユラユラ帯事情 中本 賢
114 理想の釣り用カメラ探し 角 敬裕
118 フィールド通信
120 トラウト・フォーラム通信
122 つくればわかる、バンブーロッドの価値 2 山城良介
134 読者通信

内容紹介

フライの雑誌第45号-01
フライの雑誌第45号-02
フライの雑誌第45号-03
フライの雑誌第45号-04
フライの雑誌第45号-05

異論・反論
本誌44号特集「あらためてキャッチ・アンド・リリースを考える」を読んで
本野道明 石井利明 村川堅一 上村司

前号の特集「あらためて、キャッチ・アンド・リリースを考える」に対して、多くのご意見、ご感想、反論などが編集部まで届きました。ありがとうございます。そのなかから何人かの方のご意見、ご反論を紹介させていただきます。

なぜ、バンブー・ロッドなのか 阪東幸成 湯川 豊

現代アメリカのバンブー・ロッド・ビルダーたちとその作品に詳しい阪東幸成さんと、長年のキャリアからバンブー・ロッドに一家言もつ湯川豊さんが語り合う。

子どものフライフィッシング 連載(10)
マモルの肖像(2) 本村雅宏

釣り師の海

海は、マモルを歓迎した。

バスタックルで臨んだ海のフィッシングは、思いもかけない釣果をもたらした。小さなヒラメに、アイナメ、そしてカサゴを手に入れた。

マモルがいた小学校には、風の階段と名づけられた場所がある。学校のなかの小さな森の入り口からグラウンドへの五メートルほどの斜面にかけられた石づくりの階段だ。傾斜がきついので、避難訓練のときにはこの階段を降りてはいけないことになっている。冬にはそり遊びの恰好のフィールドになっているほどである。標高一〇〇メートルほどの小学校だが、目の前に広がる田んぼの向こうには、海が見える。海の風は、この階段で初めて山に突き当たり、一年中風を吹き上げるのだ。春が来るのも、夏が終わるのも、この階段に吹く風が教えてくれる。

アメリカに学べ
「川の自然をいかすアメリカのレクリエーション」(財団法人日本生態系協会・発行)に紹介されている、アメリカの凄さ

わが国では、釣り人が釣り場を利用するためのシステムさえボロボロの状態で、釣り人のため(あるいは国民のため)の釣り場づくりを企画立案、研究する公的機関もない。

そのうえ、河川関係行政のなかの建設、水道、水産、環境などの各分野はまったくばらばらに事業を行っているのが現状だ。

だから、釣り場をなんとかしたい釣り人が具体的に行動しようとすると、気が遠くなるような思いを味わさせられることになる。(たとえばキャッチ・アンド・リリース区間設定をめぐる活動にしても、すべてのお膳立てを釣り人がやらなくてはならなくなる)。

というなかで、昨年10月に財団法人日本生態系協会から発行された「川の自然をいかすアメリカのレクリエーション」冊子を読むと、がく然とさせられる。日本とアメリカの違いがあまりにも大きいからだ。

その最たる部分が「レクリエーショナル・フィッシングに関する大統領命令」という項だ。

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