フライの雑誌-第47号

フライの雑誌第47号
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フライの雑誌特集1999日本のバンブーロッド27本

日本のバンブーロッド・ビルダーよ、野鍛冶たれ
野々垣洋一 工藤直巳 司会=中沢 孝

バンブーロッドはすっかり日本のフライフィッシャーマンのあいだに定着してきた感がある。

以前本誌で「日本のバンブーロッド」を特集したのは4年前。当時に比べるとプロないしはセミプロのバンブーロッド・ビルダーも増えている。一方でアマチュア・バンブーロッド・ビルダーの数も増え、あたりまえにバンブーロッドを使う愛好者の数も増えつづけている。

そこで、手に入れやすくなった「日本のバンブーロッド」にはどのようなものがあるのか、どのような意図をもったビルダーによってつくられているのかなどを探ってみた。

税込価格1,250円


INDEX

009 日本釣り場論24 こうしてわが国のニジマス養殖が可能になった 中沢孝
016 水中には驚くべき数の魚がいた 今年解禁日から八月上旬までの寒河江川キャッチ・アンド・リリース区間 鈴木裕之
020 コンサートは終わった1 ニューヨークのスプリングクリークは公園の中にあった カルロス管野
026 1999日本のバンブーロッド27本 日本のバンブーロッドビルダーよ、野鍛冶たれ
066 スタンダード・フライタイイング図説18 トラディショナル・ビッグ5 備前貢
072 隣人のフライボックス47 工藤直巳
081 ふらいだ・ばーちゃる劇場18 いわなの学校 ヘッドアンドテール ドッポンの薪 毛針田万作
082 イワナをもっと増やしたい 種川を残す 中村智幸
086 多摩川水族館22 多摩川変人クラブ 中本賢
090 大見川の一年3 三月の心乱れる「ブラウンの#14」 森村義博
097 ミニエッセイ 水生昆虫シリーズ1 ヒゲナガカワトビケラ 田中典康他
101 カブラー斉藤の人生にタックル4 カブでイトウを釣りに行った 1999北海道遠征記 斉藤良文
107 こうすればシューティングヘッドがヨレずに収納できます 平川英二
108 アメリカ人のフライフィッシング文化考 シェアするアメリカ人 西堂達裕
110 オレゴンの日々5 おにぎりの話 谷昌子
113 バンブーロッド・フェルール、二つの試み バンブーロッド・フェルール、二つの試み 中沢孝
120 バンブーだって、ただの釣り竿 バンブーだって、ただの釣り竿 藤野秀夫
122 北海道噴火湾の秋サケ漁事情 北海道噴火湾の秋サケ漁事情 奥本昌夫
130 天国への階段 フライフィッシングに思う 斉藤令介
134 九重町・漁場監視員日誌1 日釣り300円、年券2000円になりますけど 田中典康
138 つくればわかる、バンブーロッドの価値 バンブーロッドの基本的な製作過程 竹片の接着・フェルール取り付け 山城良介

内容紹介

フライの雑誌第47号-01
フライの雑誌第47号-02
フライの雑誌第47号-03
フライの雑誌第47号-04
フライの雑誌第47号-05

特集-1999日本のバンブーロッド
私たちはこうしてバンブーロッドをつくっています
日本の27メーカーからのアンケート回答より

S.Ozawa’s  宮崎ロッド・Prime Time アングラーズ・ウエスト Awol(エイウォール)北尾ロッド 六角竹竿高太郎 オバラロッド EAST POINT Enoha 角宏 Kagerow Rod カワイロッド Kurihara Rod Crafts TAKADA ROD 平田ロッド ヒラオロッド・カンパニーLTD, マエカワ・クラフト 村田ロッド J.Yokota maker Nクラフト ローランド Fukuma Rod アキマル ミヨ・ロッド NA.クラフト(橋本ロッド) メリディアン、カルム、ラピディアン ロッドワークス・ミヤザキ Old Crab(よろずやロッド)

水中には驚くべき数の魚がいた
今年解禁日から八月上旬までの寒河江川キャッチ&リリース区間状況
鈴木裕之

一九九七年七月、最上川第二漁業協同組合の漁業権漁場内の寒河江川大井沢地区に、「お願い」というかたちでキャッチ・アンド・リリース(CR)をうたった区間が設定されました。

一九九九年三月末、行政関係者として区間設定に多少なりともかかわった私は人事異動で職場を移ることとなり、仕事上は寒河江川CR区間とのつながりがなくなりました。しかし、ひとりの釣り人としては、ほとんど毎週欠かさず寒河江川CR区間へ通い、その状況は把握しています。ということで、三年目の寒河江川CR区間の近況をお知らせします。

日本釣り場論(24)
こうしてわが国のニジマス養殖が可能になった
「一九二〇~一九六〇年代の日本ニジマス事情」
元長野県水産指導所長・谷崎正生さんの回想から
中沢 孝

まだご存命で長野県松本市にお住まいだった谷崎正生さんにお話をお伺いしたのはすでに一五年前の一九八四年のことだった。

谷崎正生さんは一九〇六年(明治三九年)生まれ。当時七九歳であられた。ニジマスについて調べているうちに、東京都水試奥多摩分場の加藤憲司さんから「日本におけるニジマスの第一人者」としてその名を知らされた。谷崎さんは七九歳にして明晰、謙虚さも忘れない、気骨溢れる好人物だった。お会いする前夜、ニジマスについてのさまざまな思い出を徹夜でタイプしてくださっていた。これには恐縮したことを思いだす。

谷崎さんのお話を伺っていると、水産技師として「ニジマスを日本の河川に定着させたかった」という思いがどれほであったかが伝わってきた。また、氏がさまざまな試行錯誤をくり返した一九五〇年代~一九六〇年代の、日本の今とほとんど変わらない内水面漁協の体質がかいま見えたりした。

イワナをもっと増やしたい!(2)
種川(たねがわ)を残す
中村智幸

イワナの産卵床は枝沢に多い

昔から「イワナは秋になると枝沢に遡上して産卵する」とよく言われます。秋、紅葉の季節にキノコを求めて山に分け入った人が、軽くひとまたぎできるような細流でたくさんのイワナが産卵している光景を見たことからそう言われるのだと思います。確かに秋になると枝沢ではイワナの産卵を数多く観察することができます。一九九一年一〇月、十一月に栃木県を流れる利根川水系の鬼怒川上流でイワナとヤマメの産卵床の分布を調査したところ、イワナの産卵床が一六個、ヤマメの産卵床が一九個確認されました。ヤマメの産卵床は一九個のうち十二個が鬼怒川本流で確認され、残りの七個は鬼怒川に流入する三本の枝沢で確認されました。

これに対して、イワナの産卵床は一六個のうち一五個が枝沢で確認され、本流には一個しかありませんでした。このことから、イワナは枝沢に遡上して産卵していると言えるような気がします。しかし、「もともとイワナは枝沢にたくさん生息していて、普段は警戒心が強くて人目に触れないのが産卵期になると目立つようになるだけじゃないか」という意地悪な言い方をすることもできます。そこで、イワナが本当に枝沢に遡上して産卵しているのかどうか確かめることにしました。

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