フライの雑誌-第66号

フライの雑誌第66号
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フライの雑誌特集あえて「釣れない釣り」

もうフツウじゃ満足できない!

数が少ないから釣れない、ポイントを知らないから釣れない、強くてとれないから釣れない、大物狙いだから釣れない、自分の釣り方にこだわっているから釣れない。わざわざ七面倒くさいテーマを掲げて、ややこしいフライフィッシングをさらにややこしくするヨロコビ。一筋縄ではいかない相手を知恵とワザと根性でねじ伏せたときの、なんとも言えない快感。お気楽釣りも楽しいけれど、たまには頭がお湯を沸かすくらいのキビシさに我を忘れれば、また新しいフライフィッシングの魅力が見つかるかもしれません。耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ釣り人だけが味わうことのできるアッチ側の世界が、おいでおいでと手招きしています。  
 
あぁこんな釣り、やらなけれけばよかった。

税込価格1,250円

ISBN 9784939003080


INDEX

009 心に残るあの一匹 会心のヤマメ、逆転のごき 岩谷 一
012 あえて「釣れない釣り」 もうフツウじゃ満足できない!神出鬼没の・・・ 江本 紀夫/笑いがあふれて止まらない 佐野隆/釣れなくて面白い 管理釣り場/カリフォルニアの恋人スティーリー 中山幹雄/スプリングクリークの熱い日々 奥田太一/よく分からない牛久沼のバス 橋本辰哉/きちんとキャストして狙うサバ 伊藤謙/ホンモノのフライ漁師に聞く 牧浩之×中島康郁/最危険的雷魚 神原秀/誰も使わないフライ ワイルドレインボー 川口 和彦/意識もうろう サクラマス 鈴木圭司/メキシコ湾のターポンフィシュ 長岡誠
044 悩まないフライマンたちへ2 青年よARMをとれ 中馬達雄
050 釣り場時評 三十五年で変わった情況変わらない覚悟 水口憲哉
052 発言 某県水産課担当者からの提案 森川和人
056 フライだけが釣りじゃない 青らいおそめゆすりか 木住野勇
057 隣人のフライボックス 北見康太郎さんの
062 マラオとマラコの夫婦旅1
066 隣人のフライパッチ 5 湧く水、マス釣りの夏
070 浜の親父、目玉のおやじ 渡辺保司
076 バンブーロッド“目隠し”振り比べ2 編集部まとめ
084 京浜ベイエリア/魚たちの食卓 餌生物から考える海フライ2 牧浩之
089 フライだけが釣りじゃない しゅわちゃんの荒磯 黒石真宏
096 イワナをもっと増やしたい 川底の露盤化はヤマメの自然繁殖を阻害する 中村智幸
100 日本釣り場論 霞ヶ関発・連続勉強会に潜入する!2
104 フライだけが釣りじゃない 言うことを聞かないおとりを 渡辺貴哉
106 優しき水辺 斉藤ユキオ
108 コンプリート・マテリアル解剖 第4回 キジ&ボラ皮 斉藤良文
114 シニアにやさしいフライフィッシング いつかあなたにもやってくる「老眼」篇
121 フライだけが釣りじゃない ん がへちの極意です。 佐古啓樹
122 新米親分 碓井昭司
128 九重町界隈通信 まぶしいのはイヤ 田中典康
130 ネルソンだより12 ミルフォードの十三人 キョーコ=マーフィー
138 魚の数だけ楽しみがある! 杉山 充
144 フィールド通信 犬を散歩させると懲役?

内容紹介

フライの雑誌第66号-01
フライの雑誌第66号-02
フライの雑誌第66号-03
フライの雑誌第66号-04
フライの雑誌第66号-05
フライの雑誌第66号-06
フライの雑誌第66号-07
フライの雑誌第66号-08
フライの雑誌第66号-09
フライの雑誌第66号-10
フライの雑誌第66号-11
フライの雑誌第66号-12
フライの雑誌第66号-13
フライの雑誌第66号-14
フライの雑誌第66号-15
フライの雑誌第66号-16
フライの雑誌第66号-17
フライの雑誌第66号-18
フライの雑誌第66号-19
フライの雑誌第66号-20
フライの雑誌第66号-21

特集1-あえて「釣れない釣り」
もうフツウじゃ満足できない!

フライフィッシングはアイデア次第で
さらにややこしく、とんでもなく魅力的になる。
マニアな釣り人が妖しく誘う、
テーマ別こだわりフライフィッシング

呆れるほどに「釣れない」フライフィッシングあれこれ
国内外のFFMからの、熱々マゾヒスティック・レポート
宮崎ジャイアントトレバリー・アカメ/長良川尺シラメ/本栖3年伝説/片恋スティーリー/日米スプリングクリーク/フロート・バッシング/近海巨大サバ/逆さの毛鉤/サクラマス無頼派/逆立ちするボーンフィッシュ etc …

「釣れなくて面白い」管理釣り場
せっかくフライで釣るのであれば、管理釣り場であっても思い通りの一匹に出会いたいのが、フライフィッシャーマンの心意気です。ひょっとしたら必要以上に悩ませてくれるかもしれない全国各地の「釣れない管理釣り場」を、本誌読者に紹介してもらいます。誰も釣れていない管理釣り場で、一人だけ爆釣したいあなたへ。

釣れない釣り対談
横浜鶴見の中島船長は、つい最近までフライフィッシングでスズキ漁をしていた漁師だ。海フライは釣れないのか、いや実は漁ができるくらい釣れる釣りなのか、ふだんから親しくつき合っている地元の友人牧浩之氏と語ってもらいます。実際の漁で使用していたスズキ用フライパターンも公開。

「フライフィッシングがなんだか最近つまらない」という方は、初めて出会ったころのときめきが蘇る回春材として効果絶大です。「フライを始めてみたいけど難しそうで」という方の出鼻をくじくこと請け合います。フライパターンも豊富な、32ページの大特集です。

京浜ベイエリア/魚たちの食卓 餌生物から考える海フライ2 牧浩之
ようやく国内でも注目され始めた海のフライフィッシング。リアルタイムの研究を重ねる筆者による、海のマッチ・ザ・ベイト・フィッシング。秋から冬にかけての身近な海での手軽で面白いターゲット、メバルをフライで思い通りに釣るためのレポート。ソルト・ミッジングに興味のある方は必読。

※84頁右下「アンコウのストマック」の写真に誤りがありました。掲載したのは「メバルのストマック」(シラス、バチ、スカッドが写っています)でした。正しい「アンコウのストマック」(殻付きヤドカリとヒラメ類の幼魚が写っています。ちょっとキモチ悪いかも)はこちらです。訂正してお詫びします。

マラオとマラコの夫婦旅1
一羽のトリからフライを巻き終わったら次の釣り人へトリを送ります。次の人がトリを受け取ったらまた巻いて、次の人へとまたトリを送る。それを繰り返していきます。今回はマララードダックの夫婦「マラオとマラコ」が、名古屋→京都→長野→京都→山梨→東京と仲良く渡りながら羽根をむしられました。夫婦仲は大丈夫なのか気になります。

コンプリート・マテリアル解剖 第4回 キジ&ボラ皮 斉藤良文
第4回目は筆者曰く「マテリアルとして本命」のキジを、世界で初めてフライフィッシング的に解剖します。目をみはる美しいキジの羽根の数々に筆者は大感動。「こんなにすばらしいキジをマテリアルとして使わない手はない」と絶叫します。初夏の本栖湖で洗濯された話も収録。

隣人のフライパッチ 5  湧く水、マス釣りの夏
釣り場で出会った釣り人のフライパッチをのぞかせてもらう『隣人のフライパッチ』の第5回。こんこんと水の湧き出でるスプリングクリークで、おそるおそる、しかし決然とお願いしました。 あなたのフライパッチ見せてください!(ついでにタックルも)。

悩まないフライマンたちへ2 青年よARMをとれ 中馬達雄
九州鹿児島の伝説のフライマン、中馬達雄氏による人気連載。第2回の今号は、いよいよ、海フライに重要なARM(武器)の失敗のない選び方と、中馬氏20 年の経験による鍛え抜かれた独特のフライラインシステムについて語られます。中馬的フライフィッシングの世界へようこそ!

霞ヶ関発・連続勉強会に潜入する!2 
「霞ヶ関」のお役人たちは、日本の釣りの未来をどう考え、釣り人に何を求めているのか。それに釣り人はどう対応するべきなのか。編集部ではこの「勉強会」発足以来べったりはり付いて取材を続けています。「勉強会」に興味があるけれど行く暇がないという方はぜひお読みください。今年10月から始まる釣り人にとってのサプライズを先がけてスクープしました。いま日本の釣り場はドラスティックに変わろうとしています。

シニアにやさしいフライフィッシング いつかあなたにもやってくる「老眼」篇
日本にフライフィッシングが根付いて40年以上。年令を重ねていくにしたがい、釣りを楽しむ上で自身の肉体の変化を感じ始めている方も多いのではないでしょうか。加齢と共に釣り人を襲う、最大の問題は「老眼」。誰にも公平にやってくる「老眼」を乗り越えて、楽しくフライフィッシングを続けるにはどうしたらいいのか? どんな工夫があり、どんなグッズがあるのか?

問題は「眼」だ! 最近イブニングのミッジがつらくて、という方は明日の釣りにすぐ役立ち、自分はまだまだ大丈夫!と豪語する方も、いつか必ず役に立つはずの、かゆいところに手が届く特集企画です。・・・ところで「シニア」って、何歳からのことですか。

バンブーロッド“目隠し”振り比べ2  編集部まとめ
国産バンブーロッドのブランド銘を隠して振り比べてみた

日本酒やワインでは当たり前の「ブラインド・テイスティング」を、フライフィッシング・タックルでやってみようというこの企画。第1回目は各方面に物議をかもしました。第2回目の今回は、ティスティング方法をさらにバージョンアップさせて、8本のバンブーロッドを振り比べます。

ブランドイメージを排除したとき、わたしたちはどこまで自分の感覚へ忠実になれるのか。

8人のバンブーロッド・ビルダーの皆様へ、本企画へのご理解とご協力を心から感謝します。

隣人のフライボックス 66   北見康太郎

朝はカンパチやイナダ、シーバス、夕方はバス、ライギョ。
毎日がダブルヘッダーの熱い夏

 …「人のマネはしたくないから、自分の思うように作っていたらこんな風になった。基本はシンプルイズベストです。シンプルなフライは極端に凝ったフライから削って削る。今はウレタンだけのカエルを考え中」。 

一目見て「なんだこりゃ」。よくよく眺めて「すごいなあ」。フライフィッシングをやりこんでいる人にはびんびん分かる、ウルトラユニークなフライボックス。

浜の親父、目玉のおやじ 渡辺保司
…確実に釣るために、危険な釣り場を用意した。危険な釣り場とは、釣り場自体にとても行きにくい釣り場を想像するが、私が言っているのは「よく釣れるんだがあそこはなあ」といわれる釣り場である。とてもよく釣れるが誰も行かない、私はそんな釣り場を二つ知っている。

一つの海岸は、いつ行っても強面の親父がでてきてケンカになる。近所数軒がこわい親父の集団で、竿を折られた釣り人もいると聞く。もう一つは柵があり、巨大な犬数匹がいる護岸。しかも数匹のうち1匹はとても凶暴で、追いかけられればまず海に飛び込まなければならない。足を思い切り噛まれこともある。

…一部で大注目の「目玉おやじ」発案者によるほのぼのエッセイ

心に残るあの一匹   会心のヤマメ、逆転のゴギ 岩谷 一
… 岩の際にフライがさしかかり、そこへゆっくりと近づく黒い影が視界の隅に映った。そしてもっとゆっくりとフライをくわえ込んでから、フッキングするまでの記憶はない。 気がつくと、天空の谷に守られ続けてきたヤマメがネットの中にその魚体を横たえていた。 (わるいね、Kさん) この川を選んだ勘の持ち主はK氏だった。こうなればもう余裕だ。さあさあ、K氏よ。この先はあなたが思う存分釣るがいい。私はもう十分だから。…

釣り人なら誰にでも、忘れられない一匹の記憶がある。気のおけない友人と共に過ごす一日、いつまでも心に残るあの一匹。

魚の数だけ楽しみがある! 杉山 充
… 真夏、風裏の穏やかな海面に流木のごとく定位している魚をご存知だろうか。それはダツである。あんなの釣れるの、と思っている人が結構多いようで、私が釣りをしている最初の頃はよく馬鹿にされた。しかしダツもまた、真夏のポッパーゲームの主役である。ポッパーに非常にいい反応を示す。ポッパーをキャストしポップ音でアピールした途端、普段の優雅な姿からは想像もできないほどの獰猛さを見せる。フライをチェイスし何度もアタックを繰り返す、そしてフライを射程距離にとらえた瞬間に、鋭いノコギリのような歯でフライを噛み潰すのである。

フライフィッシングで一体何種類の魚が釣れるかをテーマにした釣り人の人気連載レポート。今回は夏から秋の海で楽しめるエキサイティングな海のポッパーゲームを中心に。

新米親分  碓井昭司
…それにしてもたいしたネコである。こいつには恐いものなどないのかもしれん。私は尊敬をこめて、シロブーを誉めて言ってやった。「おまえは、ほんとに、汚いなあ」シロブーの右前足が一閃し、私の手の甲に一筋の血が滲んでいたのであった。私は心から敬愛をこめて言ったのだが、プライドの高いシロブーは軽蔑と受けとったのだろう。シロブーは立ちあがると、いつもの悠然とした足どりでいってしまった。やはり、敵にはまわしたくない相手であった。ましてや毛バリになど、できる相手ではないのである。…

今秋小社から単行本を発行予定の筆者による、極上のフライフィッシング・エッセイ。

ネルソンだより12 ミルフォードの十三人 キョーコ=マーフィー
…キウイは実によく食べ、よくしゃべる。私はまず丸テーブルを囲む彼らのすさまじい食欲とその賑やかさに圧倒された。一体いつ食物を噛みくだすのかと訝るほど、誰もが早口に矢継ぎ早に話す。私は自分も何か口を挟もうと頭の中で必死に英語を組み立てているうち、話題はどんどん移り変わる。ポカンと取り残された私に、ハックはこう耳打ちした。 「キョーコ、もしあなたが内気なら、人と出会えるチャンスは少なくなる…」 キウイ英語の嵐に怖じ気づいた私に彼は、 「勇気を持て」 と言っているのだった。

…ニュージーランド在住のキョーコ=マーフィー氏による、人気連載第12回。

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