びよーんとするDM、間抜け顔

テレビ新広島さんから編集部宛に「ニッポンを釣りたい!」という番組宣伝のDMをいただいた。

A4サイズの二つ折り。山側に三つ切れ込みが入っている。なんだこれと思ってあけたら、今回の番組で釣るというアマゴ、マダイ、ロウニンアジの三種のイラストの魚が上下に並んでいて、それぞれのお口がぱっくりとアヒルみたいに菱形に開いた。おもしれー。DMの上端からは、赤丸の餌らしきものが付いたテグスがぶらさがっている。開いた魚の口の前でそいつがびよーんびよーんと揺れる。全体のグラフィック処理から想像すると釣りをやらないアートディレクターの仕事のようではあるが楽しいDMだ。びよーん。

それにしても魚の顔は真正面から見るととても間抜けである。水族館や水槽でガラス越しに魚とにらめっこのお見合いをしてみるとよく分かる。ワイルドなイトウでも尺越えのヤマメでも神々しいサクラマスでも、正面から見ると『ニモ』のドリーと変わらない。こんなの必死になって追いかけてるのかよおれは。はーとため息をつきたくなること請け合いだ。

『フライの雑誌』81号でわずかに角度のついたイワナの正面顔を表紙にした。最初にラフをファクスで印刷所へ送ったとき「これナマズっすかね?」と担当さんに電話で言われた。さすがにナマズはちょっと『フライの雑誌』の表紙にはできないっす。