ブラックバス叩きで儲けるひと

ブラックバス騒動を環境問題の文脈で語るのは間違いだ、あれは政治の問題だと、水口憲哉氏の2005年のベストセラー『魔魚狩り』は言っている。『フライの雑誌』でも同じことを言いつづけている。

富士山の世界遺産どうちゃらと、富士五湖のブラックバスをからめて書いてる記事は、その時点でダメ。うわっつらのことばで、外来魚はよくなーい、日本の自然を守ろーう、とか語られると、抑えようもなくいらつく。

ブラックバスをふくめた「外来魚」の釣りに関連する人々と、ブラックバスを叩きたい人々とで、どちらが銭儲けが上手かは考えるまでもない。

ブラックバスを叩きたかった人々、その後

このあたりの議論は学生の時からずっと考えてるのでどうもしつこくてスミマセン。

ちなみにわたしは以前、河口湖町主催のハーブフェスティバルへ遊びに出かけた際に、ハワイのワンドの西側にある会場そばの湖畔にあるスワンが目印のボートハウスが山梨県から借りている敷地へ間違って車をとめたら、ブラックバスの釣り人にでかいワンボックスカーをうちの車の前にとめられて、とうせんぼされたことがある。

ボートハウスのプレハブで、ブラックバスの釣り人数人にとりかこまれた状態で、もっともガラの悪い釣り人から「駐車料金1000円」を要求された。間違えて車とめて悪かったですね、と言って、なぜかボートハウスのお姉さんにお金を渡した。お姉さんは困ったような顔で(いいから)と言っていたけど。あれ親衛隊か何かのつもりなんですかね。

うちの車をとおせんぼしたワンボックスには、JBのシールが貼ってあった。ワンボックスを移動してもらった帰り際、「ふうん。JBなんだ」と言ったら、「そうだよ」とイキられたっけ。ああやだやだ。

これもう5年くらい前の話だけど、最近ようやく顧みられるようになった、オソロシくて腹の立つ体験だった。だって、とおせんぼされたわたしの車の中には、わたしの母親が乗っていたんだよ。

自分はルアーやフライやエサでのバス釣りは好きだが、そういう個人的な理由で、集団でブラックバスを釣る人々に対しては、基本的に偏見がある。正直、まったく好きじゃない。バス問題についてろくな対応ができなかった釣り業界も、情けないと思っている。

でもそれとブラックバス叩きとは別だから。

魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか ブラックバスは、濡れ衣だ! 異色のベストセラー 水口憲哉(著)
魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか
ブラックバスは、濡れ衣だ! 異色のベストセラー
水口憲哉(著)