昨日の人工産卵場づくりはこんな感じ。

この支流は本流との合流点から300mほど上に堰堤があって、堰堤までの区間に産卵場が集中してしまいます。で、つまらん堰堤なんか作っちゃってスマン、と言いつつ、人間が産卵に適当な場所を追加してあげる由。基本的に人間がほめられるものではありません。
今年は超若いのが3人も参戦。さっそく川の探検に出かけてました。これくらいの水量なら時々視線の端で気にしてあげれば放置で問題なし。しかしこいつらは水温冷たいというのに5分でもうびしょびしょ。着替え3組持参で正解。
秩父の内田さん。人間重機。総合釣り師。『フライの雑誌』の中村智幸さんの連載を読んで、たったひとりで黙々と地元の沢へ産卵場を作りはじめて8年目。今日くらいの規模の産卵場づくりだったら、内田さんがひとりでババッとやっちゃった方が間違いなく早い。つまり私たち素人さんに仕事を作ってくれている、みたいなものです。
内田さんが見つけた自然の産卵床。渕尻のまんなかに小石が白く掘り起こされているところがそれ。この石の下にタマゴが埋まっている。観察力が足りなかったり、そもそも渓流魚の産卵床がどういうものかを知らないと、「人工産卵場づくり」でこれをわざわざ掘り返してしまうことになる。本末転倒です。要注意。
午前中のひと作業を終えて七輪パーティ。これが楽しみで。持ち寄った食材をシェアして焼き焼きして楽しい昼食。秩父のモツ焼きはやっぱりうまい。仕事している時間よりうまいもの食べてばか話している時間の方があきらかに長かった。あまり楽しかったので完成した人工産卵場の写真を撮るのを忘れた。こんな楽しい毎年恒例の人工産卵場づくりの翌日(今日)は、朝起きたら横たわったまま筋肉痛で全身1ミリも動かず。ムリに動かしたらギチギチゆったよ。

イワナをもっと増やしたい!「幻の魚」を守り、育て、利用する新しい方法(中村智幸著)。『フライの雑誌』連載記事を全面的に加筆追補しました。開発や乱獲、温暖化に追われているイワナ。愛らしいイワナたちを「幻」にしないために私たちができることは、たくさんあります。その具体案と最新事例を紹介し、イワナとヒトが長くつき合っていくための新しい方法を分かりやすく提案するサイエンス・エッセイ。渓流魚の人工産卵場造成方法を日本で初めて確立した中村智幸さんの、初めての単行本です。渓流魚の人工産卵場づくりはブームになった風で誤解が多いようです。ぜひこの本で人工産卵場の原点を知ってください。重版。