宮城在住の読者様から「この企画には反対です」という声をいただきました。
沿岸部はもとより、内陸部であってもたいへんに危険な状態だ。気持ちとしては、東北に釣りに来ていただくのは大歓迎だが、とても危険な場所に誘うことになると思うので大反対だ。
そして、宮城県北部土木事務所の被災報告を教えていただきました。
釣りという趣味は常時であっても危険と隣り合わせです。私も地震の当日は川で釣りをしていたところ、対岸の崖が崩れて、軽自動車ほどもある大きな岩が目の前に落ちてきました。自分自身で状況を判断して、行く土地、釣り場、ときに退避を選択する。その結果は自分自身で背負うものです。
改めて言うまでもないことですが、自分以外の方に迷惑がかからなければ、というのが釣りを楽しむ大前提です。
本企画を公表する前に、被災者の方数人とお話をしました。毎年東北の釣りを楽しみにしているのだけど、今年は迷惑がかかるのではないかと尻込みしている私に、「ぜひ来てくださいよ!」と強く言われました。私がすこしおどろくほどに力強いことばでした。
その気持ちは、もちろん人により、地域により異なると思います。「釣りはもう少し時間がたってからの方がいいですよ」という被災地からの声も当然あるでしょう。「釣りどころじゃあない」とお叱りを受けるかもしれません。それらの声もふくめて、本企画に反映させたいと思います。
個人的には一刻も早く東北が被災から立ち直ってほしい気持ちです。『フライの雑誌』の次号が出るのは6月末予定です。そのときまでには被災地の状況が大きく改善していてくれることを、こころから祈り、〈東北へ行こう!〉という投稿企画を立てました。
〈東北へ行こう!〉とは〈東北を想おう!〉とも同義です。
その時代に生きている人々の生活や声を後世へ語り継ぐことも、雑誌の役割のひとつだと、編集部は考えています。釣りを通じて、雑誌を通じて、わずかでも東北の応援をしたい、という想いははっきりしています。
どうぞ様々なお立場から、それぞれの「東北の釣り」への想いを、投稿企画〈東北へ行こう!〉の原稿へお寄せください。
(編集部/堀内)