放射能で渓流解禁できず。釣りジャーナリストには何ができるか。

日本釣振興会主催「福島第一原子力発電所事故と魚介類の安全性」(2.13)講演会についての〈スーさんノート〉の記述

ベクレルとは?シーベルトとは?といった基本的なところからパワーポイントを使用して分かりやすい解説をしていただきました。マスコミの極端なネガティブ情報ではなく、過去に繰り広げられた核実験時代の放射性物質量や海中に流れ込んだ放射性物質の拡散状況など“安心情報”も多く紹介されました。

尊敬するスーさんに聞きたい。「マスコミの極端なネガティブ情報」って何ですか。先日放映されて協議会でも話題になったNHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告」のことですか。

2011年7月の釣りジャーナリスト協議会定例会には、水産庁から釣人専門官が出席していました。釣人専門官は放射能汚染された水産物の暫定規制値について、個人的な意見ですがと前置きした上で「500ベクレルは高いと思っている」(500ベクレルの規制は厳しすぎるの意)と発言しました。また「福島県ではヤマメ・イワナ釣りが禁止された」と発言しました。

その日は千葉の船宿からおかみさん二人が参加して、原発事故で受けている被害を切々と訴えていました。私は挙手して発言し、3月の原発事故発生以降、十分な調査もせずにただ被害を矮小化しようとしている水産庁の姿勢を批判しました。また「福島県で釣りが禁止された」という釣人専門官の発言は誤っていたので、勘違いを指摘しました。

2/15付スーさんノートの続き。

参加者は「テレビの情報では日本近海の魚は当分食べられないのではないかと思っていましたが、そんなことないんですねー」、「東京湾は2年後に放射性物質が河川から流入して死の海になり釣船を廃業しなければならないのでは、と思っていましたが、大丈夫なようでホッとしました」…という感想を残して帰られました。

2012年2月21日、栃木県によるサンプリング調査の結果、ヤマメから新基準値100ベクレル/Kgを上回る放射性セシウムが検出されました。それを受けて、栃木県は、那須塩原市内箒川(塩原ダム上流)、日光市足尾町地内渡良瀬川上流及び鹿沼市内粟野川並びに南摩川での渓流魚(ヤマメ、イワナ及びニジマス)の解禁の延期を、各漁協へ要請しました。

日本は、放射能汚染のせいで、釣りができない国になりつつあります。「原発事故が起きる前は、日本の川や湖、海でも魚釣りができたんだって」と、子どもたちに言われる未来を残したくありません。

釣りができなくなる、その一点だけで、釣り人は原発に反対できます。

数々の素晴らしい仕事を築き上げ今なお第一線に立つ、釣りジャーナリスト協議会会長の尊敬するスーさんに教えてほしいのです。

釣り業界は、いま何を発信するべきですか。

釣りジャーナリストには、いま何ができますか。

那須塩原市内箒川(塩原ダム上流)、日光市足尾町地内渡良瀬川上流及び鹿沼市内粟野川並びに南摩川での渓流魚(ヤマメ、イワナ及びニジマス)の解禁の延期を要請