最上小国川では、去年、漁協がダムの建設を容認する協定を県と締結していて、2019年3月の完成を目指し、5月から本体工事が始まる。小国川漁協の斉藤富士巳副組合長は「ダム工事に対しては監視も続けるつもりだし、ダムがない時よりダムを容認してからお客さんが来るようになったと言われるような川づくりに努めたい」と話す。小国川漁協には今シーズン、50万匹の稚魚が出荷される予定。漁協の施設で体長10センチほどに育てられた後、5月上旬に最上小国川に放流されるという。
「ダムがない時よりダムを容認してからお客さんが来るようになったと言われるような川づくりに努めたい」というような、小国川漁協の目論見は、もちろん破綻する。
天然アユより放流アユが好きなアユ釣り師はいない。ダムのない川よりダムのある川が好きなアユ釣り師もいない。
釣り客はダムのある小国川を喜ばない。本流にダムがない希少な川だからこそ、小国川は全国的に人気があった。ダムができてしまえば、小国川を目指して行く釣り客は減る。温泉客も減る。流域の経済は廃れる。小国川漁協はまちがった方向へ進んでいる。
今からでも遅くない。
小国川を守れるのは小国川漁協だけだ。
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