九州の友人がこっちへ釣りにくるのに、「法事です。」と会社へ言い張っている様子だ。
20数年前、西山徹さんとトラウト・フォーラムの仲間たちから平日の野反湖へ一泊の釣りに誘われた。どうしても、どーしても行きたかった。でも会社へ休みますと言えなかった。
当日の朝、みんなで野反湖へ向かった。わたしは西山さんの車に乗せてもらって夢見心地だ。尻焼温泉のあたりでいったん停めてもらい、公衆電話から「急に親戚に不幸がありまして。」と、会社へウソ電話した。(携帯とかGPSとかなかった時代)
電話の向こうの上司さんに、「また不幸か!?」と言われ、ついガチャ切り。そういえば最近も誰か殺していた。まあいいや、釣りのほうが大切だもんねと、待っていてくれた西山さんの車へ走って戻った。
それから1年もたたずに会社にいられなくなった。やむにやまれずフリーになって、色々あって、今に至る。
いま思えば、あの時の野反湖行きの決断が、わたしの人生を変えた。でも遅かれ早かれ、なるようになっていた気もする。釣り師の人生こんなものだ。
九州の友人にはがんばってもらいたい。