ポリコレ棒を振り回すとか、ポリコレ警察がやってきた、とかと言う。さいきんは、外来種ヘイト棒でやたら突っつく、生物多様性警察みたいな一群の人々もいる。我々は正義だと思ってるが、じつは神奈川県警だったりする。「HOGO NAMENNA」にも近い。
「外来種問題」に正義も共通解もない。
水産庁が新しい動きを始めた。
>「水産分野における産業管理外来種に関する関係者との意見交換会」
>遊漁関係者、魚類研究者、漁業・養殖業関係者対象
>4月26日(水)13時半から 新橋航空会館
【外来種との付き合い方】
外来種と聞くと、日本本来の生態系を脅かす存在と思い浮かべる方もいらっしゃると思います。しかし、中には私たちの生活で様々に利用されている外来種もいます。
ニジマス・ブラウントラウト・レイクトラウトはそのような外来種のひとつで、「産業管理外来種」に分類されています。産業管理外来種とは、「産業において重要で、代替性がなく、その利用にあたっては適切な管理が必要な外来種」をいいます。
この度、水産庁ではこれら水産分野における産業管理外来種に関する意見交換会を開催して、遊漁や漁業(養殖)の関係者、研究者などから、管理の考え方等について幅広く広く意見を募ることと致しました。
詳しくは、水産庁HPをご覧ください。
「外来種とどう付き合うか」は、生物多様性保全の文脈で語られる。漁業権にもとづいて琵琶湖産アユを全国の河川へばらまいてきたことを(これからもばらまき続けることを)、水産庁はどのように整理するのだろう。
日本の内水面漁業の実態は、まじめに考えれば考えるほど、ニジマス、ブラウントラウト、レイクトラウトどころの騒ぎではないのだ。
「産業管理国内移入種」とか冗談みたいに思いついたが、水産庁には分が悪い。
「フライの雑誌」第110号で水口憲哉氏がこう書いている。
人為そのものである日本の内水面漁業は、人新世の現実の前に混乱している。水産業界も水産庁も、生物多様性って何ですか、水産業とどう関連しているのですかと、声を大にして言うべきである。|フライの雑誌-第110号 釣り場時評83(水口憲哉)
日本の内水面水産業には脈々と受け継がれてきた歴史と文化がある。それこそ時代が違うんだよと生物多様性警察に摘発されるかもしれない。が、種苗放流事業を否定すれば内水面どころか、海面もふくめて現在の日本の漁業は成り立たない。
フライの雑誌-第111号には、「魚は侵略しない」と題して、『外来種は本当に悪者か?』への水口憲哉氏の書評を掲載しました。また、「放射能汚染と産業管理外来種で考える:水産庁は誰の味方か」と題した、編集部文責のコラムも掲載しています。
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> 【特別公開】 産業管理外来種とは何じゃらほい 国策で増養殖が奨励されてきた外来種、ニジマス(水口憲哉)
> 【特別公開】 人新世の現実と内水面の釣り 『外来種は本当に悪者か?』を読み解く①(水口憲哉)
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