東京都太平洋の離島へ初めてフライロッドを持ち込んだ夏、堤防でルアーを投げていた島の中学生二人が、フライ装束のわたしを見て、「トラウトだ!」と驚いていた。
なるほど、フライフィッシング=トラウトという認識があるのかと思った。この絶海の火山島に、マスが泳ぐ渓流はない。たぶん彼らはヤマメやイワナを釣ったこともない。灼けつくような日射しの堤防の上の釣り人同士、年齢差をこえてすぐに仲良くなった。
彼らがルアーでかけて寄せた魚についてきたお伴へ、「どうぞ!」って言われてマラブーストリーマーを投げると、メーター級のシイラが釣れた。
その節はお世話になりました。