今年もオイカワな日々が始まった。

東京都太平洋の離島へ初めてフライロッドを持ち込んだ夏、堤防でルアーを投げていた島の中学生二人が、フライ装束のわたしを見て、「トラウトだ!」と驚いていた。

なるほど、フライフィッシング=トラウトという認識があるのかと思った。この絶海の火山島に、マスが泳ぐ渓流はない。たぶん彼らはヤマメやイワナを釣ったこともない。灼けつくような日射しの堤防の上の釣り人同士、年齢差をこえてすぐに仲良くなった。

彼らがルアーでかけて寄せた魚についてきたお伴へ、「どうぞ!」って言われてマラブーストリーマーを投げると、メーター級のシイラが釣れた。

その節はお世話になりました。

今年は日野で次号114号の編集をしてるが、去年の連休は海で、
豪快にちっこい魚を釣っていたのだった。サイズじゃないのよサカナは HA HAN
今年もオイカワの日々が始まった。ほぼ毎日。多摩川水系よく釣れています。
ここ数日は風が強くてドライは厳しい。ウエットフライの釣り。
今年はあえてラインは1番にしてる。風がなければラインは軽いほうがたのしい。風があると2番がいい。この竿なら両方のる。
今朝の新聞に岡倉天心のことが載っていた。大岡玲さんの書いた「文豪たちの釣旅」のなかで、岡倉天心の項が好きである。この不世出の天才は、十八歳で結婚して十九歳で東大を卒業、文部省勤務後に二九歳で芸大の校長になり、三七歳で日本美術院を旗揚げ、四三歳でボストン美術館中国・日本部顧問に就任。茨城県五浦へ居を移した四五歳をすぎて釣りにのめりこみ、五一歳で〝ほんのひと月足らずのあいだに数回しか顔を合わせることがなかった〟インドの閨秀詩人に恋をして〝どうして私たちはずっとずっと以前に会うことができなかったのでしょう。でも、とうとう会うことができたのですから、感謝しなくてはなりません。〟という萌えな恋文を書き送り、その翌年に五二歳で永眠。
「文豪たちの釣旅」では山本周五郎と立原正秋の項も好きである。(ああ、あれはよかったなあ)というなんとなしの茫漠としたかたまりになって胸に残っている。何だと聞かれても説明できないので読んでみてくださいとしか言えない。それを言葉に刻めるのは詩人とか作家という生きものです。 >『文豪たちの釣旅』(大岡玲著)と朝露の消えないしずく
月刊「山と渓谷」6月号の樋口明雄さんの連載。これを読んで山小屋で働きたいと思う人は多いと思う。若者ならいいけどおっさんほど「早期退職して…」とか勝手に盛り上がりそうで、そういうのはみんなに迷惑ですからね。
山田昇さんは39歳、植村直己さん、長谷川恒夫さん、星野道夫さん、河野兵市さんは皆たった43歳で亡くなっていたのだと知った。そんな歳、とっくにこえてしまったよ。
[フライの雑誌-直送便] 最新号が出るごとに直送します。次号第114号は6月に発行します 
フライの雑誌 113(2017-18冬春号): ワイド特集◎釣り人エッセイ〈次の一手〉|天国の羽舟さんに|島崎憲司郎
○〈SHIMAZAKI FLIES〉シマザキフライズ・プロジェクトの現在AMAZON
フライの雑誌-第112号 オイカワ/カワムツのフライフィッシング(2)
文豪たちの釣旅 大岡玲
文豪たちの釣旅 大岡玲
目の前にシカの鼻息(樋口明雄著)
目の前にシカの鼻息(樋口明雄著)
フライの雑誌社の単行本新刊「海フライの本3 海のフライフィッシング教書」