夕暮れは別の顔

「真夜中は別の顔」はシドニィ・シェルダンで、「夜は別の顔」はハーレクイン・ロマンスだった。どちらも読んでないけど。

いつも目の前を淡々と流れているあさ川も、夕暮れは別の顔を見せてくれる。

オイカワをフライフィッシングでたくさん釣って、そろそろ帰ろうかなと背中を振り返ったとき、西の山の端へすっかり隠れてしまった太陽から漏れた光に照らされた川面が、逆光でギラギラしてる。

こんなにいたのかと思うくらい、川面がオイカワのライズだらけになっている。

こういう景色に出会ったときの心情を、さいきんは〈エモい〉っていうのかなと思う。今日はもう充分釣ったので、ゆめはよーるひらーくー、と唄いながらおうちへ帰った。

いまの季節なら、午後五時半くらいから約一時間が、オイカワのフライフィッシングのゴールデンタイムです。川が沸き立ちます。

フライフィッシングをやる人なら水辺の夕暮れは大好きな時間だけど、ふつうの人は夕飯の支度とか子供のお迎えとか自分の仕事とかで、夕方はとくに忙しいでしょう。

でも一度、夏の太陽が沈む頃に水辺に立って、この川にも魚がいるんだろうかと、川面を見つめてみてください。

あなたのすぐそばにある川も、夕暮れは別の顔です。

よくよく見ればライズだらけ
今日は早い時間に瀬尻でサギががんばっていたせいか、いちばんいいポイントがよくなかった。
サギのせいでオスが釣れなかった
たまには趣向を変えて、キラキラボディにCDCのソフトハックルを。大爆風だったけど風を利用して上手にポトンと落とすと、着水とほぼ同時にライズしてくる。今日はスイングの釣りへの反応はいまいちだった。毎日様相が異なる。まじほんき。
夕暮れは別の顔。どこもかしこも最高のポイントに見えてくる
べつにひまなわけではないのだが、ふと気がつくと真っ昼間からおいしい肉じゃがを作ってしまった。色調整は暖かみ&ビビッド&コントラスト+2。
島崎憲司郎 著・写真・イラスト「新装版 水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW」
〈フライフィッシングの会〉さんはフライフィッシングをこれから始める新しいメンバーに『水生昆虫アルバム』を紹介しているという。上州屋八王子店さんが主催している初心者向け月一開催の高橋章さんフライタイイング教室でも「水生昆虫アルバム」を常時かたわらにおいて、タイイングを進めているとのこと。初版から21年たってもこうして読み継がれている。版元冥利に尽きるとはこのこと。 島崎憲司郎 著・写真・イラスト 水生昆虫と魚とフライフィッシングの本質的な関係を独特の筆致とまったく新しい視点で展開する衝撃の一冊。釣りと魚と自然にまつわる新しい古典。「新装版 水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW」
フライの雑誌-第114号特集1◎ブラックバス&ブルーギルのフライフィッシング 特集2◎[Shimazaki Flies]シマザキフライズへの道1 島崎憲司郎の大仕事 籠城五年
フライの雑誌 113(2017-18冬春号): ワイド特集◎釣り人エッセイ〈次の一手〉|天国の羽舟さんに|島崎憲司郎
○〈SHIMAZAKI FLIES〉シマザキフライズ・プロジェクトの現在AMAZON
フライの雑誌-第112号 オイカワ/カワムツのフライフィッシング(2)
フライの雑誌-第111号 よく釣れる隣人のシマザキフライズ Shimazaki Flies
フライの雑誌社の単行本新刊「海フライの本3 海のフライフィッシング教書」