責任をもって釣りを楽しもう
〈釣りは地元で〉
家の近くで釣ろう
〈安全な距離を保とう〉
6フィート離れよう
人混みを避け
頻繁に手を洗おう
〈計画はフレキシブルに〉
最新の規制を知ろう
混んでいるなら他の釣り場へ行こう
これは、アメリカン・スポーツフィッシング・アソシエーション(ASA)という米国釣り具業界のロビー団体からの呼びかけ。支援者は100万人いるそう。「わたしたち釣り人は様々な問題に直面している。みんなで団結すれば発言力が高まる。政治家へ釣り人の声を届けよう。きっとよい方向へ変わるはずだ。」と言っている。
> ASA’s Response
> 州ごとのアウトドアスポーツ最新規制情報など
公有水面でも私有地でも、釣り場へのアクセスを管理者に禁止されると、物理的に釣りができない。釣り人は自主的に気をつけるから、なんとか開けておいてほしい、と要請している。資金繰りに困窮している釣り具業界の構成員への有用な情報もウエブサイトにまとめてある。
日本ではASAの立ち位置にあたる組織はない。強いて言えば日釣工と日釣振だろうけど、力量がぜんぜん違う。外来魚問題や原発事故への対応をみればわかる。釣りの担当官庁である水産庁を含めて、今回の疫病にあたって、釣りと釣り業界の存続のために、まず何も動かないし、できない。本来はいちばん働かなければいけない時なんだけど。
日本でもここにきて、川や池の管理釣り場や公営の海釣り公園が、続々と休業している。日本山岳、スポーツクライミング協会、日本勤労者山岳連盟など山岳関係の4団体は、登山の自粛を要請したという。
いまの日本の社会情況のなかで、いち釣り人がどうしても釣りをしたいなら、自分の身近な釣り場で、できるだけ誰にも迷惑をかけない方法で、ひっそりやるんだろうな、ということだと個人的には考えている。でもそれを大声で言うつもりはない。だって自粛するもしないも、自分の行動は自分で考えるものだ。
さしあたって、フライフィッシャーにとって妄想は得意分野だ。部屋の中でフライタイイングはできるし、本も読めるし、家の前のマイリバーでフライキャスティングもできる。繰り返しになるが、ある種のヒトにとって、釣りは生命維持に必要不可欠な装置である。
明るいかもしれない話をすると、いま各地の内水面漁協が、「緊急事態宣言にともない、釣り大会などでの集客を目的とする成魚放流は中止するが、漁協の増殖事業はもちろん続けていく。」と言い始めている。これがちゃんと履行されるなら、怪我の功名じゃないけど、日本のマス釣りはよくなる。
ただでもその前に、世の中の大勢から顧みられることはないだろうけど、今年、川と湖の釣り場を管理する内水面漁業協同組合はたくさん潰れるだろう。ただでさえ崖っぷちなところへ、自粛というウィルスに止め刺しを食らう感じだ。
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