先日の14日、W.B.S.(World Bass Society)の20周年記念パーティーが都内で開催された。W.B.S.とは何ぞやという方は、こちらのサイトの最下部にある「沿革」をご覧いただきたい。
私はかつて河口湖を始めとした各所の釣り場で、がらの悪い一部のバス釣りの人々から色々と脅された経験がある。金をむしられたことすらある。だからというわけではないがデカいバスボートをぶっ飛ばすようなゴリゴリのバサーは、体もデカくて押しが強くてアメ車を好み、バイクはもちろんアメリカンチョッパーに乗ってそうなイージーライダーというか、マッドマックスみたいでコワい人々が多いという偏見を長らくもっていた。(まちがった個人的見解ですのであしからず)
しかし、霞ヶ浦に長く暮らして世界的にもリスペクトされているバス釣り師、吉田幸二さんが始めた53 Pick Up!などの、本当に命がけの釣り場清掃活動の実態を数年前に知ってからは、自分の誤解を改めた。月刊『Basser』誌(つり人社)では、吉田さんが用水路などをなめるように這い回って、地域の水域に根ざしたバスを探し釣りしている記事を読むことができる。その姿はとても穏やかで思慮深く地元愛にあふれているので、一度読んでみてほしい。W.B.S.はその吉田幸二さんがつくったバサーの団体である。
パーティーはずいぶんと華やかなものだったようだ。なぜか政治家もたくさん来ていたということで、いいわるいはともかく釣り人団体が政治へロビー活動をする時代がいよいよ来ているように感じる。既得権益を守りたい有名無実の内水面漁協ではなく、一般の内水面の釣り人と政治との関わりはかつてトラウト・フォーラムが先鞭をつけ、ブラックバスを特定外来生物に指定する外来生物法のときの、9万件を超えるパブリックコメントで最初の爆発をみた。
アメリカ合衆国ではレクリエーショナルフィッシング憲章が大統領令で定められたり、釣り人の要求でダムを撤去したりと、政治は釣り人の存在を無視できない。今後の日本で釣り人と政治との関係がどのように動くのかは未知数だ。個人的には、釣りなんてお上が顔を出せば出すだけ興ざめだと強く思っているけれど、水産庁が釣人専門官を新たに置くなど、日本でもおそらく両者の距離は近づいてきている。
さて、W.B.S.の20周年パーティには『魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか』著者の水口憲哉氏も招待されていて、会場ではありがたいことに小社近刊の『桜鱒の棲む川』も大きく紹介された。
このパーティを写真入りで紹介しているブログの記事を見つけたので、ここに紹介したい。書き手は中島さなえさん。私が好きな中島らも氏の娘さんである。「物を書き、サックスを吹き、妄想を自在に操る関西人。」という自己紹介が面白い、これから注目のライターだ。
この記事には、水口憲哉マニアは、別の意味でもぜひ注目。ほんとうに素敵な方です。