開高さん発、長良川、シマトビ、美空ひばりさん行き

開高健さんが、長良川河口堰反対運動の際に、「ダムのない川の一本くらい残せんか!」と、どこかで書いていたことを、ふと思い出した。

どこでだったかが気になる。いったん気になりだすと落ち着かない。本棚を探した。

3時間後、発見した。

書いていたのではなく、言っていた。そして正しくは、

「日本の川の一本や二本、手つかずで残さんか!」

だった。

長良川河口堰反対運動を扱った「フライの雑誌」第8号(1989)で紹介していた、毎日新聞の記事でだった。

1989年早春号。昭和が終わり、美空ひばりさんが52歳で亡くなった年。

時々こういう発作的な調べもの作業が発生する。じつはけっこう発生する。なにかの症候群に括られるレベルだと思う。だからなかなか本体の仕事が前に進まない。

「フライの雑誌」第8号の、島崎憲司郎さん連載「水生昆虫アルバム」第8回は、ウルマーシマトビケラ。

今度は、ウルマーシマトビが単行本『水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW』でどんな風に書かれていたかが気になって、シマトビの項を読みにいく。で、羽化で上昇するピューパの写真を見たくなって、ヤマトビケラの項へ移動して、

すげえ写真だなあと嘆息する。さらにこれをフライで表現するには18番や20番くらいのサイズなら「肢(レッグ)はダビングしたヘアをピックアップする程度で十分」と島崎さんが書いているので、今度は実際に自分でタイイングしたくなってきて、

机からくるりと振り向いて、背後に常時セットされている、タイイングバイスの前に屈み込む。オポッサムに軽くヘアーズイヤーのガードヘアを混ぜてみよう、TMC2487の22番でやってみよう、とかひとりごちながら。

最初の「開高さんの長良川」から、いつのまにか「小さいピューパのタイイング」になっている。もちろん、すぐ川で使いたいから、今日の夕方はオイカワでも釣りに行くことになる。

つまり、フライフィッシングとはこういう一連の楽しみです。

とぎれないループのつながりです。

美空ひばりさんも聴きたくなってきたぞ、と。

フライフィッシングがあると人生は楽しい。

たぶん。

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