『自滅 尾﨑渡作品集』(尾﨑渡著、幻戯書房刊)を読了。
まさか明治、大正、昭和、平成もこえたこの令和の御代に、葛西善蔵と出会うとは思わなかった。令和の善蔵さんは、北海道に渡り(ここは史実と合ってる)、周囲といざこざを起こし(ここも合ってる)、友達への儀礼で懊悩し(合ってる)、カネがない(合ってる)。ただ異なるのは、令和の善蔵さんは車中泊で旅をし、片手で携帯電話を操り、オンナへしつこく電子メールを送るのである。
カアアッ!
二度、三度読みたい。ただし、晴れた日の日中の、エアコンの効いた室内で。青森のTさんはこれを読んでなんと言うだろう。
これまでの人生をそろそろ勘定していかなければならない、そんな気持が私にこれらを書かせた。またこうしたものを書くからには、その種の嘘偽りを禁じることを肝に銘じて、血でもって書く作家の本分として取り組んだ。結果それは私の家族を、友を、愛する人達を、
(あとがき)
> 「年に何日か私小説しか読めない日がある。何もする気になれない日に失敗の結晶のような作品を読むと妙に安心する。」
(萩原魚雷)
> 極度に肥大化してねじ曲がったナルシシストでコミュ障にしてちんけな権威主義者、ミソジニストのDV親父でアルカホール中毒の寸借詐欺常習犯、青森県近代文学館の展示により半端な国家主義者の気もあると身バレした葛西善蔵さんは、地味に釣りが好きだった。〈雪をんな(二)〉にも釣りの情景が出てくる。釣りが好きな人に悪い人はいませんから。
(2019/1/17)
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フライの雑誌-第128号
特集◎バラシの研究
もう水辺で泣かないために
フライの雑誌 124号大特集 3、4、5月は春祭り
北海道から沖縄まで、
毎年楽しみな春の釣りと、
その時使うフライ
ずっと春だったらいいのに!