『バスと釣り人。』というA5判で平とじの月刊誌がある。最新号で24号になる。いまどきA5判で平とじの雑誌はものすごく珍しい。かつての『フライフィッシング・ジャーナル』もA5判で平とじだった。
去年か一昨年、都内の釣具店の店頭で『バスと釣り人。』を一目見た瞬間に、なんかものすごく懐かしいというか、ほっとする感覚をもった。手にとって中身をみると、素朴すぎる体裁と表紙を裏切らない、手作り感いっぱいの誌面であった。「ああ、おれやっぱりこういう雑誌が好きなんだな」と再確認した。
その『バスと釣り人。』さんが最新号の編集後記で、私どもの『フライの雑誌』をとりあげてくださった。〈本当の意味での釣りジャーナリズムがあの雑誌では健在〉という身に余るお褒めの言葉をいただいて、そういう高尚なことをあまり意識したことがない編集部では身をよじって喜んだ。
それで今日は思わず一面識もない『バスと釣り人。』さんの編集部にお電話をした。声の質からしていかにも明朗そうな編集長さんが相手をしてくれて、電話の向こうで楽しげに笑っていた。バス釣りの市場はフライフィッシングの20倍という説がある。好きなことをやって暮らせるなら幸せだ。