5月20日発行予定の「フライの雑誌」第81号では、カラーのグラビアページを増やしてみた。じつはカラーはとても高い。しかも「フライの雑誌」の場合は紙と印刷の質に少しばかりこだわっているので、よけいに割り増しになる。
というわけで基本的に貧乏な「フライの雑誌」がカラーページを増やすには、全裸でクラゲたっぷりの海に入るような勇気が必要だ。今回はぜひカラーで載せたくなるいい記事が多かったので思い切ってみた。ピリピリすると思うよ。
ふだんは渋すぎるモノクロでお願いしている寄稿者さんに、こっそり「今回はカラーですよ」とささやくのは、とても楽しい。「本当ですか!? やった!」という反応をしてくれる寄稿者さんも中にはいて、「そうなんですよ、総天然色ですよ!」と喜びを分かち合っている。
そこらへんの価値観というか、小さな幸せを共有できるのが「フライの雑誌」のいいところではないかと、勝手に思っている。逆にふだんからカラーをばしばしに使える雑誌だったら、こんな風に喜びを感じられないだろうから、持たざる者の幸せっていうかさ。でも、ちょっと、切ないぜ。