『フライの雑誌』93号の97ページ〈BOOKS〉欄で勝手に紹介した本は以下の通り。それぞれ紹介文が短くて申しわけなかったです。リンクはamazon。
●CONTROLLED FLY CASTING/東 知憲 (著)
●大阪で生まれた開高健/難波利三(他著)
●魚附林の地球環境学―親潮・オホーツク海を育むアムール川 (地球研叢書)/白岩孝行(著)
●フライフィッシャーの昆虫学/アルフレッド・ロナルズ (著), 川野 信之 (翻訳)
●隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ/小出 裕章 (著)
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本当は紹介しようと思って原稿をまとめて入稿もしたんだけど、下版の直前で福島の〈ヤマメ釣り禁止〉情報が入って、急きょ記事差し替えで削った本は下の通り。せっかくなので紹介文を少し追補してここに掲載。
●原発事故はなぜくりかえすのか
高木仁三郎/税込735円/岩波新書
反原発の民間シンクタンク、原子力資料情報室を設立した在野の行動する学者が、がんの病床で書いた一冊。これだけは言っておきたいという思いが平易な文章から静かに強く伝わってくる。2000年刊。
●団地ともお(ビッグコミックス)
小田扉/税込550円/小学館
版元のPRには「ほのぼの小学生ギャグ」とあるが、超シュール。絵もうまい。このレベルが8年続いているのは脅威。スピリッツはこれと「アフロ田中」があればいい。「気まぐれコンセプト」のページはいたたまれないので目をそらす。柴門ふみが連載再開してから「スペリオール」を読むときは、柴門ふみのとこだけ目をそらさなければならないのも、超めんどい。弘兼憲史ともどもきらーい。
>ともおツイッター
●江口寿史のお蔵出し 夜用スーパー
江口寿史/税込1260円/イースト・プレス
終わったマンガ家の拾遺集。著者による巻末のセルフライナーノーツだけはよかった。基本的に〈昔の名前で出ています〉って作家には興味ない。資料として購入。
●南極1号伝説 ―ダッチワイフの戦後史
高月靖/税込620円/文春文庫
秀逸なノンフィクションの文庫化。精巧なラブドールの写真多数。京王線のなかでドキドキしながらページを開いた。ダッチワイフの歴史、種類やメーカーにくわしくなったよ。
●安心して絶望できる人生
向谷地生良・浦河べてるの家/税込777円/日本放送出版協会
統合失調症などの患者が自分の病気を観察してグループ単位で研究報告する「当事者研究」の記録。人間には支えあう仲間が必要だ。「降りていく生き方―『べてるの家』が歩む、もうひとつの道」も読んだ。「分裂病の少女の手記」のころとは時代が違うなあと実感した(あれはなにより装丁がよかった)。統合失調症についてくわしくなったよ。
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後半は釣り雑誌に載せるラインナップじゃなかった。削ったのは正解だったかもしれない。
積んでるままの本がたくさんある。釣りに行ってるとどんどん本がたまってゆく。渓流好きの内地のフライフィッシャーにとって、早春から初夏はいちばん忙しい季節だ。これから真夏になるにしたがい釣りものが少なくなる。本が読める読めるぞ、本が読めるぞ。