その人工産卵場は、ほんとうに必要ですか?

あっというまに秋、ヤマメとイワナの産卵シーズンが近づいてきました。いわゆる渓流魚の「人工産卵場造成ブーム」は今年も続いているようです。

渓流魚の人工産卵場づくりの方法を初めて広く世の中にだしたのは、『フライの雑誌』での連載をまとめた単行本『イワナをもっと増やしたい!』(中村智幸著)です。現在の「人工産卵場づくりブーム」の発信源となった本でもあります。その版元として、以前もご案内しましたが、大事なことなのでしつこいようですが再掲します。

渓流魚の〝人工産卵場〟は作れても〝人工産卵床〟は作れません。充分に自然が残っている渓流では、人工産卵場の造成は渓流魚の自然産卵を妨害します。根拠のない人工産卵場の造成はその川の渓流魚にとって害悪になるかもしれません。

その人工産卵場は、ほんとうに必要ですか? 野生のイワナやヤマメがたくさん泳いでいる川をほしい方は、ぜひ『イワナをもっと増やしたい!』を読んでください。

第2刷