まだ頭の上にいるのです

フライの雑誌 第73号
特集◎釣れるフライ、釣りたいフライ2006

他人は他人、自分は自分。かけがえのない1本を求めて。
フライタイイングはカクテルかラーメンみたいなもので、
基本はあれど千変万化。
他人は他人、自分は自分、幾多の想いを胸に抱きしめて、
釣り人はかけがえのない一本をタイイングし、釣り場に向かう。
釣果と満足度が直結しないのも、
フライフィッシングならではの倒錯した魅力でしょうか。
好評だった前回企画から2年、切り口を変えての再登場です。

今読み返すと、えらく大上段に振りかぶったリード文だが、この頃はそういう心理状態だったんだろう。

なぜ8年も前のこの号を思い出したかと言うと、いま編集部の雨戸の戸袋のなかに、ムクドリが勝手に巣を作って子育て中だから。

第73号の特集では、鹿児島市・ちゅうまんの夢やの中馬達雄さんにインタビューした。お店の中には、ケガして迷い込んできた野生のイソムクドリが住み着いていた。

インタビューのあいだ、そいつは中馬さんの肩か、あたまの上にずっととまっておとなしくしていた。定位置なのだろう。中馬さんのあたまじゃ足元が落ち着かなかろうに。なんて言わない。

シュールで微笑ましい光景だった。

第73号は2006年5月発行。在庫なし。たぶん。と思っていま確認したら、のこり2冊だった。

※さっきうかがったところによると、8年前のイソムクドリは、まだ店にいるそうです。

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フライの雑誌-第73号|反骨のフライ 中馬達雄氏インタビュー
フライの雑誌-第73号|反骨のフライ 中馬達雄氏インタビュー