佐賀県どうした

昨日フリーライターの谷剛さんに教えていただきました。
はなわで有名な佐賀県で現在、<「佐賀県環境の保全と創造に関する条例」
第65条(移入規制種の指定)における種の指定についての意見募集>
というパブリックコメントを実施しています(1.21〜2.14まで)。
http://www.pref.saga.lg.jp/portal/ty-contents/WH/FWHM000601Action.do?CNT_ID=2886&contentSetId=CID140&categoryId=74&showCrumbList=true

これによると、

「近年、移入種(外来種)の利用、ペットや栽培した移入種を安易に
川や野に放したりする行為により、本来生息している生物(在来種)の
数が減少し希少種になったり、希少な生物が絶滅の危機にさらされるなど、
生態系への影響が増大しています」ので、

条例により指定された種については、以降、

・「野外に放したり、栽培したり、種子をまくことができなくなります。
・所有者や管理者は、決められた施設でしか飼養栽培できなくなります。
・元の状態に戻すため、移入規制種を回収させることができます。
 また、回収に応じない場合は、違反者の氏名等を公表することが
 できることとしています。
・販売者は、購入者に対して、移入規制種であること、飼養栽培施設が
 決められていることを説明する責務があります。

という規制を受けることになる、というものです。

で、「「佐賀県の生態系に影響の可能性がある移入種(外来種)リスト」が
パブコメ募集のサイトに記載されています。
http://www.pref.saga.lg.jp/portal/ty-contents/resources/2886/file1/050120170407/rist.htm
粘っこいところをいくつかピックアップします。

魚類:コイ科の観賞魚群 アマゴ ハス ニジマス(継続的な大量放流)
植物:セイヨウタンポポ ハルジオン
ほ乳類:イノブタ ヤギ ネコ

つまり、この条例が現状のまま施行されるとすると、佐賀県では
セイヨウタンポポのタネをふーっと吹いて空に飛ばすラブリーな行為は
立派な条例違反になります。強制的に「回収させられ」、
「氏名等を公表」されることになるわけです。なんのこっちゃ。
「コイ科の観賞魚群」という大ざっぱさにも呆れます。
コイ科は世界で2000種以上、魚類でもっとも大きな科です。
ほ乳類の「ネコ」というのも、すごい。じゃあ「イヌ」はどうなんだ。
「専門家からなる移入種対策検討会」が作ったリストだそうだけど、
どんな「専門家」なんだろうと大きなハテナマークに押しつぶされそうです。

佐賀県環境課にさっそく電話して尋ねてみました。

1.佐賀県民以外でも意見を送れますか → 送れると思います
2.「コイ科の観賞魚群」といわれても、
 2000種以上あるんですけど → 在来のものは除外する、ということで
3.在来ってなんですか → 明治を基準線にしています
4.「専門家」ってどなたですか → 県内在住の9名の生物の専門家さんです
5.「ネコ」と言われても… → ネコにも色々あるので分からない、
 とコメントに書いていただく感じでしょうか

こんなお粗末な条例がパブコメかけられているなんて
恐ろしい、というか、ばかばかしい世の中になったものです。

佐賀県の担当課はこちら。分からないことは聞きましょう。
>環境課 自然環境担当 岩崎俊満、吉森清史
>TEL (直通)0952−25−7080