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優しき水辺
斉藤ユキオ
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『フライの雑誌』
斉藤ユキオさんの連載「優しき水辺」が、『フライの雑誌』第107号(2015年12月発行)で第100回目を迎えました。本誌第8号(1989年2月発行)から数えて26年間。休載は一号もありません。一人の画家の長期単独連載として、比類がない偉業です。
連載100回記念アーカイブ
第8号〜第109号
斉藤ユキオ イラストレーター。1949年秋田県能代市生まれ。東京都世田谷区在住。
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朝や夕方のまずめどきに川へ行くと、対象が少しぼけて見える。すべてがあいまいに見える。その風景は釣り人はふだんから目にすることが多いが、あの独特な雰囲気の中で釣りをしていると意識が集中する。それがまた気もちいいのだが、彼の絵を見ていると、それが晴れた日中の色彩で描かれた作品であっても、あのまずめどきの雰囲気の中にいるような気にさせられて、妙に気持ちが休まってくる。(中沢孝/第21号1992年)
あらためて連載作品を見返すと、画風は川の瀬音のように変化している。しかしどの一枚を見ても、どうしたって「ユキオさんの絵」だ。だからこそ長く続いてきたのだろう。「優しき水辺」は、折々の胸の内に感じたままを自在に描きつづる一人のアーティストの、川の水がさらさらと流れるような、足どりそのもののだ。(第107号)
そして川は流れつづける