夕方に30分川に立つだけで、世の中を革命できる。

夕方に川へ行けない日が三日も続くと、からだとこころの調子が悪くなってくる。気分鬱々として愉しまず。イライラしてくる感じ。

夏休みだとかで、近所の厨坊はダラダラと家にいる。目障りである。ゆるんだ生活態度ばかりが気になる。つい、「お前、やることやってんのか。」と、小言を言ってしまう。

しかし近所の厨坊はさいきん、つとに生意気になってきた。ほぼ常に家にいる近所のおじさんの、うだつの上がらない人生の日々を、厨坊なりに観察している風でもある。

そのうち、逆に言い返されるかもしれない。「お前こそ、どうなんだ。やることやってんのか。」

わあ、すいません、やろうかな、という気持ちだけはあるんです。

「うるさい。葛西善蔵じゃあるまいし、働け」。

ああ、すみません。僕、エビフライ食べようかな。

世の中いろいろあるが、そんなもの、夕方に30分川に立つだけで革命できる。

・・・

昨日、たまたまテレビをつけたら田中泯さんが出ていて吃驚。「正直言ってお金よりわたしの方がえらい」、「どこかの総理大臣が〝この道を前へ〟って大きなお世話だ」、とかカッコよすぎる74歳に元気もらった。田中泯に「踊りたければギャラなしでも踊る?」とか聞く阿川佐和子さん無双。

さいきんは微妙にポイントを新規開拓している。どこでも釣れるし、新しいポイントで釣った方が新鮮だし。といっても自転車でせいぜい5分の範囲内。
色付きのオスがまだ釣れた。浅川の中流域ではそろそろオイカワたちの婚活も最終盤である。オスでもメスでも、残りものには福がある(わあ、ひどい)。遅れてきた青年、がんばれ。
ちょっと島へ行ってくる。備えあれば憂いなしというか、夢だけは大きく持とうよということで、4.5mの磯ダモを今回も荷物に入れる。この磯ダモ、今まで働いたことがない。持ってるだけ。
「ムロの泳がせで3、4キロのカンパ出てるよ!」と聞いたが、わたしのフライロッドには関係なさげ。2番ストリーマーの泥縄タイイング楽しい。昨日は20番のオイカワフライを巻いていた。10㎝足らずのオイカワから大海原をカッ飛ぶカジキまで、つくづくフライフィッシングの受けは広い。
『フライの雑誌』第103号|特集1◎すぐそこの島へ。はじめての〝島フライ〟。身近な〝島〟にパラダイスがある。全国の仲間からの渓流&海フライのレポートと、はじめての〝島フライ〟のための親切ガイド。境界の向こうに何かがある。|もっとよく読み込んでおけばよかった。
『フライの雑誌』第103号|特集1◎すぐそこの島へ。はじめての〝島フライ〟。はじめての〝島フライ〟のための親切ガイド。
大特集◎オイカワ/カワムツのフライフィッシング(2) フライフィッシングの魅力いっぱいの身近なビッグゲーム 人気特集第二弾! ベストフライとその釣り方・オイカワロッド振り比べ・台湾のオイカワ・伝承ハヤ毛バリ・分布と増殖・実戦ドライの釣りとスイングの釣り他 ●中村善一×島崎憲司郎 異分野対談 画家の視線とシマザキワールド (後篇)●山と河が僕の仕事場 牧浩之 ●ニジマス物語最終回 加藤憲司 ●海フライ 中馬達雄 ●荻原魚雷 樋口明雄「いぬのはなし」 ウッディ小林 ●マグロを釣るのは罪なのか 水口憲哉 ●ルポ:シマザキフライズ・タイイングセッション フライの雑誌 112(2017秋号): amazon
『一輪咲いても花は花 ―葛西善蔵とおせい』を読み終えた。感情をストレートに揺さぶられる系の小説や映画にはつとめて触れないようにしているのに、この本の終盤では滂沱の涙。
葛西善蔵と釣りがしたい|たこはたこつぼが好きですが、じゆうに泳げるひろい海にもあこがれます。(本文より) 堀内正徳=著(『フライの雑誌』編集人) ※「湖畔手記」には日光湯ノ湖でマス釣りするシーンが出てきます。 葛西善蔵は世の中的にはぜんぜん有名作家ではないけど語りたい人はひたすら熱く語りたい。ある種のヘンタイ的なフライフィッシング好きに通ずる気がする。