「真夜中は別の顔」はシドニィ・シェルダンで、「夜は別の顔」はハーレクイン・ロマンスだった。どちらも読んでないけど。
いつも目の前を淡々と流れているあさ川も、夕暮れは別の顔を見せてくれる。
オイカワをフライフィッシングでたくさん釣って、そろそろ帰ろうかなと背中を振り返ったとき、西の山の端へすっかり隠れてしまった太陽から漏れた光に照らされた川面が、逆光でギラギラしてる。
こんなにいたのかと思うくらい、川面がオイカワのライズだらけになっている。
こういう景色に出会ったときの心情を、さいきんは〈エモい〉っていうのかなと思う。今日はもう充分釣ったので、ゆめはよーるひらーくー、と唄いながらおうちへ帰った。
いまの季節なら、午後五時半くらいから約一時間が、オイカワのフライフィッシングのゴールデンタイムです。川が沸き立ちます。
フライフィッシングをやる人なら水辺の夕暮れは大好きな時間だけど、ふつうの人は夕飯の支度とか子供のお迎えとか自分の仕事とかで、夕方はとくに忙しいでしょう。
でも一度、夏の太陽が沈む頃に水辺に立って、この川にも魚がいるんだろうかと、川面を見つめてみてください。
あなたのすぐそばにある川も、夕暮れは別の顔です。