「いいね、毎日オイカワ釣って。昨日も川行ってたよね。そして今日はお友だちとドライブしてヤマメ釣り? 楽しんできてね」
「あうあう。なに言ってんの取材だよ、仕事なんだよ。昨日の〈プロフェッショナル仕事の流儀〉見たでしょ。プロは仕事に命がけなんだよ」
「ふうん」
「あうあう」
・
初夏の秩父でヤマメ釣り。
自宅から片道3時間のパライソ。
次号第117号のグラビアができた。
色んな意味で命がけのあうあう。
もちろんおうちにお土産を買って帰ったことは
言うまでもないです。

昨秋に産卵して生き残ったと思われるヤマメ。岸際にヤマメの稚魚が無数にいた。自然再生産が行われている渓流での釣りは敬虔な気持ちにさせられる。でも釣るンだよ。
釣り始めてわりと早めにマシュマロでいいヤマメ釣ったら、「なんだもうマシュマロ使っちゃったのけ!」「次がないじゃないですか!」と、同行の二人から呆れられた。相手の技をまったく受けず初手から必殺技を出して、観客にブーイングされる三流レスラーになった気分。しょっぱくてすまんかった。

この季節の渓流を歩くと〈おれ生きてるぜ!〉って感じ。

M&D(Marshmallow &Deer Hair)、M&Eはまじ釣れる。タイイングが簡単で使い勝手がよく汎用性が高い。ちょっと無敵。
初出 Shimazaki Flies Selection 2(2014)

この渓にうまれ、この渓で生き、この渓で死す。今日は釣られちゃったけど、まだまだ生きる。秩父地ヤマメの完璧なる魚体。

光の加減で痩せぎみに見えるけどそんなことはなくてお腹いっぱいに虫を食っている、ほれぼれするほど精悍な沢のヤマメ。この魚もM&Dで。今日の後半戦はずっとM&EとM&Dだった。TMC212Yでマシュマロの付け根にオポッサムをちょろっとダビングして歯ブラシでピッキングした小心者改悪バージョン。


フライの雑誌-第116号 小さいフライとその釣り 隣人の〈小さいフライ〉ボックス|主要〈小さいフック〉原寸大・カタログ 全88種類|本音で語る〈小さいフライフック〉座談会|各種〈小さいフライフック〉の大検証|〈小さいフライ〉の釣り場と釣り方の実際|〈小さいフライ〉エッセイ 全60ページ超!
70年ぶりの漁業法改変に突っ込む|もっと釣れる海フライ|新刊〈ムーン・ベアも月を見ている〉プレビュー掲載
第116号からの【直送便】はこちらからお申し込みください 2019年2月14日発行


「ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」




○〈SHIMAZAKI FLIES〉シマザキフライズ・プロジェクトの現在AMAZON





