【公開記事】阿武隈川のアユ、コイの出荷制限が8年ぶりに解除(8.28付)TOPICS|編集部まとめ 放射能汚染とキャッチ&リリース|福島県水産課の資料から(「フライの雑誌」第117号)

「フライの雑誌」第117号(2019年6月30日発行)から、〈TOPICS|編集部まとめ 放射能汚染とキャッチ&リリース|福島県水産課の資料から〉を公開します。

2018年9月の阿武隈川漁協事務局と福島県水産課への取材内容は、「フライの雑誌」第115号(2018年10月発行)の「日本釣り場論78「ゼロからわかる 漁協ってなんだろう」に掲載しました。本ウェブサイトで全文を公開しています

2019年8月28日、福島県水産課から阿武隈川における魚種限定での出荷制限解除のリリースがありました。

今回はアユ、コイのみの解除ですが、8年ぶりの阿武隈川の釣りへの大きな一歩です。

今朝、地元の漁協関係者さんと話しました。

少しずつ前進しています。

(編集部/堀内)




「フライの雑誌」第117号(2019年6月30日発行)より

TOPICS|編集部まとめ

放射能汚染とキャッチ&リリース
福島県水産課の資料から

今号の特集は「リリース釣り場」であるが、今の日本にはやむを得ない事情で「リリース釣り場」になっている川と湖がある。

2011年の東電福島第一原発事故で放射能汚染された水域では、食品衛生法に基づいて魚に出荷制限指示が出されると、解除されるまで釣りができない。

放射能に汚染された釣り場でも何とか釣りをしたいという苦肉の策で、持ち帰り禁止にして釣りの再開にこぎつけたのが、栃木県・中禅寺湖漁協、宮城県・鳴子漁協、栃木県・足尾町漁協だ。

本誌第115号「日本釣り場論」でとりあげた阿武隈川漁協では、広大な釣り場の全てで釣りができない状態が、今も続いている。阿武隈川漁協へは東電から年間2900万円の賠償金が支払われた(大森2017)が、いっこうに釣り再開への動きが見えない。

本誌の取材に対して、阿武隈川漁協事務局は「解禁を求める声もあるが、漁協が決められることではない」と答えた。福島県水産課は「区域や魚種をしぼっての試行も考えられるが、漁協からアイデアがあがってこないことには、行政としては動けない」と答えた。

今年1月、新しい動きがあった。福島県水産課が内水面漁協役職員研修会で提出した資料「出荷制限指示魚種を対象としたキャッチ・アンド・リリース 〜あらましと事例〜」には、食品衛生法の規制下であっても、「摂取や出荷、流通を行なわないことを公に証明」できれば、「出荷制限魚種であっても例外的に遊漁が可能となる」ことを、福島県の見解として示している。

先行事例として先の三漁協を挙げている。

背景には閉じたままの県内の内水面漁場を一刻も早く開きたい水産課の強い意向が見える。

楽しい「リリース釣り場」をつくる話ではない。汚染が消えたわけではない。だがこのままでいいはずもない。阿武隈川漁協には明確な対応が求められている。

(堀内)

阿武隈川(福島県)。上流部は水生昆虫が豊富で人気を集めていた。原発事故以降、釣り人の姿は見えない。

阿武隈川。沿川で長年川漁を楽しんできた地元の人々も楽しみを奪われたままだ。

阿武隈川漁協須賀川支部総会を報じるあぶくま時報(6.3付)。「同支部は戦後の食料不足の中、昭和27年に設立された。川魚の食文化は地域住民に根付き、原発事故まで続いていた」

水産課資料から、福島県内「出荷制限指示」魚種と水域。その多くが阿武隈川漁協管轄下の阿武隈川水系である。2017年以降の上流域では基準値超のヤマメ、イワナは出ていない。

水産課資料から、キャッチ&リリース計画書の内容。要は、ぎちぎちの監視体制をとらないと釣り場を開けない。暗然とする。核の事故は取り返しがつかない。本当に罪深い。

「フライの雑誌」第117号記事

熱い想いで研究されているんだなと感じました。動物への敬意も。本当にクマの行動の理解が進んでクマが住みやすい、人も住みやすい、になったら良いです。研究の中でのハプニングが面白かったです。

Amazonで新しいレビューをいただきました。ありがとうございます。

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6月30日発行

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