フライの雑誌-第117号・97ページ掲載
「NHKラジオ深夜便」
4/23放送「明日への言葉」より
[もっとクマを知りたい]山﨑晃司さん
ききて 遠田恵子ディレクター
を公開します。
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[もっとクマを知りたい]
山﨑晃司 さん
「NHKラジオ深夜便」
4/23放送「明日への言葉」より
ききて 遠田恵子ディレクター
編集部まとめ
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○人気番組「NHKラジオ深夜便」に『ムーン・ベアも月を見ている』著者の山﨑晃司さんが出演した。深夜のクマ話に聴きいった人も多いのでは。山﨑さんの言葉を抄録紹介します。
●擬人化してはいけないと思うのですが、クマは一頭一頭違った性格を持っています。日によって気分が変化したり、見ていて飽きない動物ですね。簡単に言うと、私は〝クマが好き〟と言ってしまって間違いないと思うんです。
●ツキノワグマは、学会でムーン・ベアと呼ぼうという話になっています。イランから極東ロシア、中国・台湾にかけて生息しているムーン・ベア、アジアクロクマのひとつの亜種が、ニホンツキノワグマです。日本にツキノワグマが入ってきたのは50万年くらい前と言われています。日本に人間が入ってきたのは2、3万年前です。大先輩ですよね。
●40年、50年先に日本の総人口は数千万人減るという予測があります。動物に譲らなくてはいけない場所が出てくるかもしれない。一方で、人間が死守しなくてはいけない場所もある。その線引きを地元の方も含めて、早めに話し合わなくてはいけないと思います。
●なぜクマを研究するのか。クマをどう保全するかという目的もありますが、子供の頃に読んだシートンやファーブルと同じで、クマの生き様を知りたいという根本的な気持ちがあります。まだまだ知らないことがたくさんあるので、それを知りたい。それに、クマの研究者〝クマの人〟たちにはとても面白い人が多い。
●晩秋、シカのラッティングコールが悲しげに哭いている頃でした。朝早くの尾根を歩いていました。ふと気配を感じて横を見たら、沢を挟んで100m以上離れた向こうの尾根に、ものすごく大きなクマがいました。斜めの陽の光を浴びて、こっちをじっと見ているんです。漆黒というか黒い毛が朝の光でキラキラ輝いていて、しかも周りにアキアカネがいっぱい飛んでキラキラしていました。その姿がまさに私がイメージしているクマでした。山に住んでいる一番すごい動物というんでしょうか。身体もとても太っていたんです。こっちを気にするようなしないような、でもじっと見ている。あの眼差しとキラメキを今でも覚えています。本当に美しい、そう思いました。──
山﨑さんのクマ好きが爆発していた。「ご自身の風貌がクマに似てきていませんか」と遠田さんが最後に笑いながら突っ込んでいた。ご本人も否定していなかった。
(編集部まとめ)

フライの雑誌-第117号 97ページより
上写真は「ムーン・ベアも月を見ている」山﨑晃司著 より

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「ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」 ※ムーン・ベアとはツキノワグマのことです。


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