〈フライの雑誌〉最新第118号に、樋口明雄さんのエッセイ「クマならちょくちょく出ますけど?」を掲載しました。前号のエッセイ「チラチラ、ボッ!」につづいて、読者ハガキの戻りでも人気の作品です。
110ページ下段に以下の記述があります。
空手の師範が渓流釣りをしていて、クマに襲われ、自ら傷を負いながらもクマの目に貫手の指を突っ込んで眼球を破壊して退散させたというニュースもあった。実は私自身ももう十年、空手をやっているが、さすがにクマに勝てる自信はない。だから腰にベアスプレーを常備している。
極真空手のウィリー・ウイリアムスがヒグマと戦う動画を観たことがあるが、あれはどう見ても人に飼い慣らされたクマだったし、むしろ彼がクマにからかわれているようにしか見えなかった。
樋口さんの作品を読んでくださった、『ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線』著者の山﨑晃司さんからご感想をいただきました。クマの専門家の山﨑さんには、あれはヒグマではなく、アメリカクロクマに見えますとのことです。
クマは世界に8種類います。ホッキョクグマ、ヒグマ、アメリカクロクマ、アジアクロクマ(ムーン・ベア=ツキノワグマ)、ナマケグマ、マレーグマ、アンデスグマ(メガネグマ)、パンダです。(『ムーン・ベアも月を見ている』より)
山﨑さんによると、『地上最強のカラテPART2』でウィリーが闘った相手のクマは、樋口さんの見立て通り、飼いならされているように見えるし、クマとしては闘っているのではなく、じゃれているのではないか、とのこと。
もっと言うと、ウイリーの突きや蹴りは当てるふりだけですね、と、自らも極真空手の門徒であったという山﨑さんが教えてくれました。山﨑さん極真だったんですか、ますますやばいっすね。
黒帯樋口さんと極真山﨑さんのフライフィッシング空手対談(なんじゃそりゃ)とか面白そう。ウイスキーを樽で用意しとかないとならなさそう。
山﨑さんの面白クマ本『ムーン・ベアも月を見ている』を、年末年始の読書にぜひどうぞ。気づかなかったあなたのクマ成分が今日から発現するでしょう。