『フライの雑誌』の品切れバックナンバーから、第69号の特集「日本フライフィッシングの軌跡2」をPDF無料公開します。
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> 万博とカーターさんの頃(PDF公開)
(第63号巻頭特集)
かつてフライフィッシングは特権階級の嗜みだった。一般の趣味として開かれたのは、ずっと下って1960年代のこと。欧米とは異なる自然環境と魚たちのもと、日本のフライフィッシングは独自の発展を遂げ、現在は世界のフライシーンをリードしている要素も多々ある。
’60年代末から’70年代初頭、一握りの新しもの好きの釣り人がフライフィッシングへ興味をもった。不案内な状況のなかで、そうであるがゆえに、釣り人は苦心して情報を集め、時には見当違いな回り道をしながら、この新しい釣りへあっという間に夢中になった。
私たちは先人が拓いた途の上にいる。途は半ばである。


特集◎日本フライフィッシングの軌跡2 万博とカーターさんの頃
道楽を誇ろう。 特別座談会 道楽を誇ろう。高田弘之 × 山田安紀子 × 鈴木俊一
第 61号で大好評を博した独自企画の第二弾。特別座談会「道楽を誇ろう。高田弘之×山田安紀子×鈴木俊一」は、カーター大統領の忍野でのフライフィッシング裏話から開高健氏のモンゴル・イトウ釣りのいきさつまで、初公開の秘蔵話ばかり。「釣りキチ三平」にも登場した日本ルアー&フライ界の重鎮、ハンク高田氏の巧みな話術に抱腹保証です。
日本フライフィッシング1万字年表は、日本フライフィッシング50年における様々な事象を掘り起こして『フライの雑誌』編集部が初めてまとめた、これまで誰もやっておらず、どこでも読めないひとつの文化史です。
フライフィッシャーに限らずすべての釣り人が必読の大特集企画。
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『Angling』誌を創刊された山田安紀子さんのご訃報を知りました。知的でチャーミングでカッコいい憧れの人でした。いただいた言葉を忘れません。
(2022年1月12日 フライの雑誌社/堀内正徳)
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(第63号巻頭特集)

フライの雑誌-第69号


特別座談会 日本フライフィッシングの軌跡 山田福次郎 × 斉藤英雄 × 佐々野征夫 × 山城良介
現在わたしたちが楽しんでいるフライフィッシングは、もとは海外から移入されてきた釣りだ。日本のフライフィッシングの変遷を考えるとき、かつて東京の京橋にあった『つるや釣具店』の存在は重要だ。日本のフライフィッシング用品は敗戦後まもない時期に『つるや釣具店』で扱われ、以降、時間の経過とともに全国へひろがり、現在に至っている。
先日、その京橋『つるや釣具店』で働いていた方々に集まっていただき、お話をうかがう機会があった。集まっていただいた四名の入社時期と退社時期をならべると、ちょうど敗戦後すぐから現在までをもれなく網羅した。
今回は、敗戦直後から高度成長期までの時代に区切ってお話をうかがった。それまで知られていなかった珍しい釣りであり、新しい文化であるフライフィッシングへの驚きと興味に追われ、やがてやって来るフライフィッシングの開花期に至るまでの、熱い日々の記録だ。最初期の国産フライ用品から、誰もフライを投げ入れたことのない処女釣り場まで「その季節」を知らないフライフィッシングを愛する者にとっては、興味津々なエピソードのオンパレードとなった。
