鹿児島市東谷山にある、老舗の海鮮居酒屋「夢屋」に行った。世界中で有名なだけあって、すでに満席だった。残念。
ところが連れの友人が、「えー、大丈夫、大丈夫でしょー。」と根拠なく言いながら、無理やり中へ入ろうとした。すぐさま店主の中馬達雄さんに厨房からこっぴどく叱られ、シュンとする友人。
中馬さんは店先へ出てくると、ビール箱の上にベニヤ板を乗せて、手早くテーブルを作ってくれた。高円寺のガード下によくあるやつだ。
同じくビール箱の椅子を向かい合わせに二つ並べ、薄い座布団を置いてポンポンと叩いて言った。
「ほらこっちで釣らんね。」
友人は北海道出身のT中H幸くん。
T中くん、君の行動パターンは、俺の夢の中でも変わらないな。
こたつで春のうたた寝も、楽しい夢を見ることもある。
ちなみに店名の由来は〝浮浪雲〟から。
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『フライの雑誌』第124号は、待ちに待った春、ココロもカラダも自由な「春の号」です。