「河口で採捕され採卵前に死んでしまった多数のサクラマスも含め、各支流で自然産卵が行われれば、稚魚の量は人工ふ化の何十倍にもなると考えられる。」
北海道・斜里川ほか
『桜鱒の棲む川 サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』
(水口憲哉 2010)より
サクラマスを含めたサケ・マス類の資源量増加には、人工ふ化放流一辺倒をあらためて、自然産卵を取り入れるべきでは、との指摘は、日本国内では長年黙殺されてきました。
が、ここ数年の回帰数の極端な減衰により、水産関係者からも同様の発言が見られるようになっています。とくに北海道で。
人工ふ化放流一辺倒を改めることは、ダム建設・河川工事などとの引き換えの補償による種苗放流、ならびに、サケ・マスふ化放流事業そのものの見直しにつながります。
これまでは議論すら許されなかったのが、背に腹は変えられないほど、状況が厳しくなってしまった、とも言えると思います。
『桜鱒の棲む川 サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』(水口憲哉 2010)
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