先日、高円寺のペリカン時代さんで荻原魚雷さんと会った。たいへん楽しい会話の途中で魚雷さんがグラスを傾けて言うには、
「さいきん固有名詞が出てこなくなったんですよ。」
加齢に伴う残念な現象ですと言いたいらしい。
一般に人間はトシ食うと稼働速度が落ち、若い頃の勢いがなくなる。
本人に自覚がある場合、失った若さは小ずるいインサイドワークでカバーする。レフェリーをあっち向いてホイで幻惑させた隙に、つい凶器に頼ったり、つい場外乱闘に誘い込んでパイプイスを振り上げたりする。
ただそれは普通の人の場合。「フライの雑誌」に関わってくれている皆さんの多くは、トシとっても仕事の質量ともに落ちないばかりか、むしろ尻上がりに拡大発展してる印象だ。
魚雷さんももちろんそっち系で、忘れた、閑、逃げる、隠れる、怠惰、中年、眠い、寒い、やる気でない等々のぼやきは、むしろ魚雷芸の真骨頂である。魚雷さんは「フライの雑誌」次号にも寄稿してくださいます。
ぼやきつながりで言うと、弊社編集部の仕事が年明けからどうも進まない。こっちの場合、加齢の影響は明らかにある。ふと余計なことを考えちゃって、離陸の途中で諦めてしまう。前は何も考えなくても飛べたのに。
こういう時には釣りするのが一番ということになっている。早く春が来ないかな。うちには今、日常のオイカワ釣り成分が欠乏している。
白菜食べよう。の件で、顔も知らない匿名のネットの人から悪罵を投げつけられて、世の中なんだかなー、思ってるところへ、読者さんから本の注文をもらいました。すんごく勇気が出ました。ありがとうございます。がんばります。
動画の中で『フライの雑誌』122号が紹介されています。
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