初めてのフライフィッシングは養沢ではなかったにしても、東京育ちの自分には養沢は心のふるさと。
養沢から春のお便り届いた。
最近一部で、渓流魚の保全と増殖と釣りの持続的な愉しみとのバランスが話題になっています。1990年代以前から関係者が積み重ねてきた経験と研究に基づく、信頼できる知見があります。先人の成果を踏まえれば、けっして放流全否定とか釣り禁止とかの乱暴な議論には向かわないはず。読みやすいこの3冊の一般書をおすすめします。
「雑魚川の自然環境はよく保たれています。そう行った川であれば、放流をしなくても、禁漁や産卵場造成、制限体長の引き上げなどで魚を増やせるといったほうが正確でしょう。」
「雑魚川を訪れる遊漁者数はここ数年横ばいで、最近は少し増えているような傾向が見られます。志賀高原漁協さんのような禁欲的な管理でも、魚は増えるし、釣り人も増えるのです。」
「良い釣り場を作れば、良い釣り人が集まるのです。質の高い釣り場作りの実例と言えます。」
「漁協と釣り人、そして地域の人たちがこれなら納得できるという方法を選んでゾーニングを図っていくのが良いでしょう。」
「イワナを守り、増やし、釣りに利用する方法はたくさんある」
「この本を読んで、イワナ釣りを始めたり、イワナの研究を志す若い人が増えることを期待してやみません。」
(『イワナをもっと増やしたい!』中村智幸)
とかく問題にされがちで、疲弊した制度からの縛りも受けている内水面漁協。内水面漁協ってそもそもどんな組織なのだろう、を解説した記事です。筆者はわたしです。米国の釣り場管理制度との比較もあります。全文公開しています。ご一読してもらえると嬉しいです。
【公開記事】日本釣り場論78「ゼロからわかる 漁協ってなんだろう」(フライの雑誌-第115号)
「小国川はアユが天然遡上する川として全国から釣り客を集めてきた。経済効果は22億円との研究もある。これまで小国川でアユ釣り大会を開いてきた釣り具メーカーは、ダムに異議を唱えて小国川でのアユ釣り大会を中止するくらいのことはするかと思ったら、そんなことはなかった。今年はがまかつ、報知新聞、オーナーばり、ダイワ、シマノが小国川で大会を開いている。にぎやかなものだ。」(漁協ってなんだろう)
「協同組合の活動理念は、一人はみんなのために、みんなは一人のために、という相互扶助の精神にある。この精神が機能すれば、地域的特色をよく知る漁協による釣り場管理はきめ細やかに行われるはずだ。トラブルが起きれば地域で互いに話し合って解決の道を探る。ダムや汚染など、自然を破壊する大きな敵に対しては、漁協と釣り人と地域住民が一体となって立ち向かって撃退する。」(同)
のが理想。
「長野県を流れる雑魚川には、20世紀初頭、専業のイワナ漁師の小屋が建てられ、1970年代になるまで受け継がれていた。(14P.)
「1935年頃、雑魚川のイワナは7、8匹で当時の日雇いの労賃に匹敵した。群馬県嬬恋の職漁師は年間に6~7000匹のヤマメを釣って地元の温泉地へ売った。」
『職漁師伝— 堀内正徳 (@jiroasakawa) February 14, 2023
次の127号が3月1日の解禁に間に合わないのが確定したので、出るまでの今年の春は
去年の春特集を楽しんでいただければ幸いです。高評価のいい号です。
第124号 特集◎ 3、4、5月は春祭り 全国の春の釣りとその時使うフライ|ずっと春だったらいいのに!
動画の中で『フライの雑誌』122号が紹介されています。
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