川と湖の漁協の多くが、釣り場の近くのコンビニで遊漁券を売っている。コンビニの扱いがなくても、少なくとも、漁協のウェブサイトには販売店の一覧が載っているはずだ。それすらやっていないのは、漁協と県の水産課の怠慢以外の何ものでもない。
昔話になるが昭和では、初めての川へ行った時、まず遊漁券を売っているお店を、知らない土地で探さなければならなかった。インターネットがないので、手段は「聞き込み」。川沿いの商店をしらみつぶしに、一軒一軒飛び込んで、遊漁券はありませんか、と訪ね歩いた。気分は殿下か山さん。昭和だから。
あるいは、通りがかりの地元のおじさん、おばさん、子供に、「釣り券売ってるお店知りませんか」と聞いた。今なら下手すれば子供に声をかけだけで、いかのおすしの発動だ。(経験あり。タスケテー)。せっかく最高の季節の東北へきたのに、釣り券を求めて半日以上をつぶしたことが何回もある。山奥にはそもそも商店もなければ人もいない。
かつてのそんな時代は、釣り場で無券が見つかったときの釣り人の言い訳として、「売っている場所がわからなかったから」が通用した。漁協のほとんどは「現場売り」の券を設定しているから、「現場で買おうと思っていた」も、NGではなかった。
現代は状況が違う。遊漁券販売所はスマホで分かる。水産庁が「やるぞ内水面漁業活性化事業」で補助金を出している新顔、電子遊漁券の登場もある。基本的には、漁業権が設定されている釣り場では、事前に遊漁券を購入するのが当たり前で、それが可能な環境がほぼ実現している。釣り業界の人が無券はますます論外です。
現場売りは高額でいい。
2023年から中禅寺湖漁協が「現場売り料金」を値上げした。妥当だと思う。ただし、中禅寺湖漁協は電子遊漁券を導入していない。もはや定番と化した、深夜の遊漁券販売所開店待ちの長い行列は辛い。あれで「中禅はもう行かない」になったという声をよく聞く。値上げするだけで、受け入れ側の態勢は変わらないのだろうか。
動画の中で『フライの雑誌』122号が紹介されています。
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