たいへんきびしく辛い事故が起きました。弊社はクマの本も出している釣りの出版社です。「フライの雑誌」121号(2020)では北海道特集も組みました。釣り人のクマ対策の基本は、〝クマと遭わないようにする〟ことです。弊社刊単行本『ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線』(2018年)から、以下紹介します。
日本に生活するクマは2種類、北海道にヒグマ、本州と四国にツキノワグマだ。
九州のツキノワグマは、最近になって、環境省により絶滅宣言がなされた。四国のツキノワグマも極めて危機的な状態にある …
北海道に住むヒグマは、遺伝子分析による系統解析により、大きくは三つの系統に分けられる。更新世のどこかのタイミングで、別々に日本に入ってきている。
二つはサハリンなど北方経由で北海道に渡来したもの、一つは朝鮮半島など南方から渡来して北海道にたどり着いたものだ。1万年以上前の、最終氷期の終わりごろまで、ヒグマは本州にも生活していたのだ。
(P.26)
クマと遭ったらどうしたら良いのか、もっともよく聞かれる質問である。いくつかのティップはあるのだが、一番の肝は、「遭ってからのことを考える」のではなく、「遭わないことを考える」に尽きると思う。
(P.46)
…クマと遭ってからのことを考えるのは、あまり現実的ではないように思う。
このあたりについてさらにという方は、ぜひ『ベア・アタックス』(スティーブ・ヘレロ著・北海道大学図書刊行会)をお読みになって欲しい。邦訳版は上下2巻の大作で、値段が少々高いが、北米でのクマの事故を子細に検証して、その予防策などを懇切丁寧に解説している。
ヘレロさんは、日本にも何度も来日しており、奥さんのリンダさんと共に、特に一般の人々への、クマと人との無用な軋轢を避けるための教育普及活動を展開している。
ヘレロさんが、常々主張していることは、まずはクマに遭わない工夫をすることである。
(P.50)
…ツキノワグマの推定頭数を仮に30000頭として、最近の年間での人身事故数100件で計算すると、ツキノワグマ1頭あたりに換算した事故数は0.0034件になる。
一方のヒグマを推定頭数10000頭、人身事故数3件とすると、1頭のヒグマに換算した事故数は0.0003件とツキノワグマよりも小数点が1つ低い。
ただし、ツキノワグマの場合、100件の人身事故数の内、死亡に至る例は数件であるが、ヒグマの場合は半数近くが死亡事故になるという違いがある。
理由は、ヒグマの方がツキノワグマに比べて、圧倒的なパワーがあるからだろう。
(P.60)
クマと遭ったらどうなるか
3- 1 クマと遭ったらこうなった
〝やってはいけない〟ことばかりやった/クマに遭わない工夫をしよう/クマ避けスプレーは有効か/(まずい!)と思ったその瞬間/クマの方から気づいてもらうために
3- 2 クマが人を攻撃するとき
ツキノワグマの人身事故は世界一多い/クマは凶暴な動物か/ヒグマよりツキノワグマの方が事故を起こしやすい/ツキノワグマは〝ドキドキ〟している/それでもクマと遭ってしまったときの対処法/K市の人身事故から何を学ぶか/日本のクマを追いつめる前に
(目次)
『ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線』(山﨑晃司著)から。
…
第126号〈隣人のシマザキフライズ特集〉続き。島崎憲司郎さんのスタジオで2022.12.26撮影。狭いシンクを泳ぐフライ。まるっきり生きてる。これ笑うでしょ。まじやばい。(音量注意) pic.twitter.com/vFuHHPEJvh
— 堀内正徳 (@jiroasakawa) December 27, 2022
フライの雑誌 124号大特集 3、4、5月は春祭り
北海道から沖縄まで、
毎年楽しみな春の釣りと、
その時使うフライ
ずっと春だったらいいのに!