訂正とお詫び
「フライの雑誌」第128号 109ページの〝漁業経済学会「内水面における漁場管理の展望と課題」ミニシンポジウム開催〟記事中の中村智幸さんの報告で、
平成29年内水面の釣り人33万6千人に対して、海の釣り人487万5千人。
とあるのは、正しくは
平成29年内水面の釣り人336万人に対して、海の釣り人487万5千人。
です。訂正してお詫びします。
以下に当該記事全文を掲載します。
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漁業経済学会「内水面における漁場管理の展望と課題」ミニシンポジウム開催
6月11日、東京海洋大学。釣りを専門に扱う学会はない。既存の学会のなかで過去「釣り」を研究対象とした漁業経済学会が、初めて内水面(川と湖)の釣りを主題としたミニシンポジウムを開催した。発案者で司会は、本誌寄稿者の櫻井政和さん。本誌第125号〈「子供釣り場」の魅力と政策性〉、第127号〈発言! 川や湖に関わる皆さんにお願いしたいこと〉は話題になった。
第一報告者の中村智幸さんは、内水面漁業/釣りの現状と、漁協/遊漁者の現状を直近の研究成果から紹介した。内水面の釣り人数は多い順から①ヤマメ・アマゴ ②イワナ ③ニジマス ④アユで、漁協予算の振り分けと合致していない。平成29年内水面の釣り人336万人に対して、海の釣り人487万5千人。内水面漁協に期待されている役割の多くは環境保全と教育啓発であること、などを報告した。
第二報告者の瀬川貴之さんは、水産庁の支援を受けている電子遊漁券販売業者の視点から、日本の内水面漁業法制のありようの解説、当事者としての疑問と、今後の展開を提示した。
第三報告者の鈴木聖子さんは、水産庁職員の立場から、内水面漁業支援を提案した。内水面漁協組合員には組織を維持するインセンティブが薄い。国による支援は「法制」「予算」「税制」である。河口湖の遊漁税、国民一人あたり年額千円を払っている森林環境譲与税(年額600億円)の内水面への活用の可能性を報告した。水産庁の水産多面的機能発揮事業の総予算17億円のうち、内水面向けは5%であるという。
後半は各報告者に会場からの発言者を加えた総合討論が行われた。櫻井さんから、内水面漁業/釣りの未来を議論するに際して、現行法制を踏襲するのか、全く新しい制度を導入するのかのスタンスの相違で、実現可能性が異なることが説明された。会場から「遊漁ライセンス」導入の必要性が語られたが、これは現在の内水面漁業制度を否定するものであることになる。
複数の参加者が「漁場の管理は国交省に任せればいい。環境方面は環境省に任せて、水産庁は中身の魚だけ扱えばいい。」と発言した。これに対して、東京海洋大の工藤貴史さんが「国交省に漁場管理を任せるのは絶対反対です。どれだけの釣り場をダメにされてきたと思うんですか。」と発言した。
一口に「釣り」関係者と言っても、たまに釣りをする者、釣りを趣味だと公言する者、釣りがなければ生きていけない者、そうでない大多数の人々との間には、深くて大きい溝がある。
会場で本誌寄稿者の福原毅さん、岡野伸行さんに会えた。釣りジャーナリスト協議会へ事前の案内があったにもかかわらず、他の釣り雑誌、釣り新聞は来なかった。漁業経済学会では引き続き、内水面漁業/釣りに関する議論を続けていくとのことだ。
フライの雑誌-第128号
特集◎バラシの研究
もう水辺で泣かないために
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フライの雑誌 124号大特集 3、4、5月は春祭り
北海道から沖縄まで、
毎年楽しみな春の釣りと、
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ずっと春だったらいいのに!