水産庁と議論かみ合わず

釣りジャーナリスト協議会3月定例会。改正遊漁船業法の瀬渡し(沖堤渡し)で、新たに付け加えられた条文について、釣りジャーナリスト協議会会員および渡船業者が、水産庁の沿岸・遊漁室課長補佐(海面遊漁担当)へ抗議。

渡船業を潰すつもりかという当事者からの声に対し、有効な回答得られず。議論がかみ合わない。まずは堤防渡しの現場を見てほしいと要望。「上へ持ち帰ります」とのこと。沿岸・遊漁室長の出席を求める。改定遊漁船業の施行は4月。時間がない。次回へ続く。

弊社堀内は、釣りジャーナリスト協議会定例会の最後に、長良川ニジマス管理釣り場の件を話題提供。協議会メンバーの中で本件を媒体で扱ったのはフライの雑誌社のみだった。

終わりに、水産庁・釣人専門官へ「水産庁は誰の味方なのか」と投げる。釣り人を味方にしないと、水産庁は誰にも相手にされなくなりますよ、とも。同じ確認を長年何度も何度も繰り返している。


2024.3.16追記

皆さんがバランスとって楽しく遊んでいるところへ、頼まれてもいないのに顔を出して「はい、明日から釣りはできません。」と邪魔しているのが今回の水産庁。歴史と事情を汲んで不利益から釣り人を守るのが、水産庁本来の立場。ましてや法律の改定で渡船業者は所によっては100年続いてきた生業を奪われることになる。

実情に合わない新条文があると指摘されているのだから、実情に合わせて調整するのが、水産庁の仕事で存在価値。「禁止は禁止です。」と説明会で逆ギレしているんじゃ国民を向いていない。なにか勘違いしているのではないか。誰のためにあなた方はいるの? となる。当然。

水産庁は誰の味方か 
「フライの雑誌」第111号掲載 売り切れ)

水産庁の公式フェイスブックページは、水産業、魚食の楽しみ、漁業についてなど、わりとゆるめの話題を提供している。時代は変わった感がある。2017年2月28日、水産庁は、中禅寺湖の放射能汚染によるヒメマスの漁業被害についてこう書いた。

【中禅寺湖のヒメマス、まもなく解禁予定です。】
ヒメマスはサケ科の魚ですが、一生を湖で過ごす淡水魚で臭味がなく美味です。
ここ数年の間、栃木県の中禅寺湖では、ヒメマスの解禁延期要請が出ていて食べることができませんでした。
しかし、昨年(平成28年)10月に、解禁延期要請が解除されたため、今年の釣りシーズン(陸釣り4月1日~、船釣り4月20日~)からは、持ち帰って食べることができるようになるそうです。
解禁延期要請解除までの栃木県と地元漁協の御苦労と検査への御尽力には、つくづく頭が下がります。
ヒメマス以外のマス類(ブラウントラウト、ニジマス等)は、今年のシーズンもキャッチ&リリースだそうです。これらの魚は、食べられない代わり大物がヒットしそうですね。(中略)今年は、4月以降に中禅寺湖畔の宿で泊まると、ヒメマスが食べられるかもしれませんね。

これはいったい何なのか。水産庁の他人事っぷりにがく然とする。以下、疑問点を列記する。

1、水産庁は漁業被害を引き起こした国の原子力政策の失敗を漁業関係者へ謝罪しましたか。
2、放射能汚染で困窮している観光業者を含む中禅寺湖の漁業関係者へ、水産庁はどのような具体的なケアをしましたか。
3、放射能汚染による漁業被害を今後二度と起こさないために、水産庁としてどんな策をとっていますか。
4、原子力発電所の再稼働の是非は国民的議論になっています。実際に日本の漁業を毀損した放射能汚染を引き起こした原子力発電所を、水産庁は将来的にどうするべきだと考えていますか。
5、今回のエントリーは漁業者を守るのが使命である水産庁の公式意見として妥当だと考えていますか。

役人が頭を下げたところで、なんの意味も価値もありません。国民のために奉仕して働くのが公僕たる国家公務員です。のはずですが、なにか自分たちが国民より偉いんだと勘違いしているような無意識の意識が、このポストには見受けられます。
放射能汚染による漁業被害に関する責任を頰被りする水産庁の姿勢を許してはいけない。

水産庁は誰の味方なのか。

釣りジャーナリスト協議会定例会

釣りジャーナリスト協議会定例会

改正遊漁船業法について(水産庁)から。