「フライの雑誌」次号123号の打ち合わせで、鹿児島の中馬達雄さんに電話した。カマス釣りから島フライの話になり、海でも湖でも魚は水の中から人間の想像をはるかに超えるセンシティブさで空気中を気にしている、という話になり、そういう逃げグセの強い魚をどう釣ればいいんでしょう、という話になり、オイカワ釣りの話題になった。
オイカワ釣りのドライフライフィッシングの時、
「あなたは水切りはどうしてるの」
と、中馬さんが言った。へ、水切りってなんですか。
フライの着水直前、カウンターでロッドをストップしてターンオーバーさせるわけだが、そのときに濡れたリーダーとフライから、水滴、しぶきがシャッと水面へ飛び散る。(すごい細かい霧みたいなものだと思う)。するとスレた敏感なオイカワは霧にびびって、サッと逃げるんだそうだ。だから最後のプレゼンテーションの前に、フライを落とそうとするポイントを避けて脇で水切りしてから、ポトンと落とすんだとか。するとうまくいけば、フライが水面に着く寸前の、水面上の1センチか2センチでオイカワは飛び出てくる。それをフッキングさせるのが、いちばん気持ちいいんだと。
いやあ、すません。そこまで考えたことなかったです。と素直に答えた。
おそらく、中馬さんの釣っているオイカワの川は、浅くて規模が小さい。比べてわたしの川は適度なサイズ感がある。その違いもあるだろうし、ドライフライ中心とスウィング中心という釣り方の違いもあるだろう。でもそこまで考えたことなかった。
釣りは深いなあ、と正直呆れながら、今日もオイカワ釣りへ行った。
『フライの雑誌』次号第132号は、2024年11月発行予定です。
2025「フライの雑誌」オリジナル・カレンダー(大きい方)作ります。
フライの雑誌 125(2022夏秋号)
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子供と大人が一緒にフライフィッシングを楽しむためのコツとお約束を、子供と大人で一緒に考えました。お互いが幸せになれるように、子供が子供でいられる時間は本当に短いから。
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