フライの雑誌-第67号

フライの雑誌第67号
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フライの雑誌特集私の好きなフライリール

フライリールはフライ以外の釣りには使えない、いわば遊びの象徴、無為のプライド。
ハンドルをチリチリ回せば、夢は水辺をかけ巡る。虫が飛び、波が弾けて、スプールが逆転する。
抱っこして眠りたくなるフライリールを探します。

税込価格1,250円

ISBN 9784939003097


INDEX

009 心に残るあの一匹 渓流の一夜 小池要
012 隣人のフライパッチ6 山の湖、風まかせ
018 ◎私の好きなフライリール –回転する悦楽。 Love Me Do!あなたはこのフライリールを愛せますか ハンドメイド・フライリール・コレクション40 小板橋伸俊/ 小さなフライリール工房にて 横尾芳行/自作フライリールの苦悩と至福 金子孝行/哀しきコレクター 佳橋謙太 /自作フライリールの仕上がり精度について 倉博之/巨大魚を狙うフライリール 梶明広/変革するハウスオブハーディー 川本勉/対談フライリール・マニアックス 平野貴士×斉藤良文
040 釣り場時評43 王様の耳はロバの耳 うそが全国制覇していく恐ろしさ 水口憲哉
042 月に酔うヤマメ 大潮の渓で何かが起こる 江本紀夫
046 道草の日々 めめんともり 本村雅宏
048 2004我がサイアクの釣り
054 イワナをもっと増やしたい! 発眼卵を放流するとイワナは本当に増えるのか 中村智幸
058 悩まないフライマンたちへ 初めての海フライ・テクニック 中馬達雄
065 マラードダック夫婦旅
068 隣人のフライボックス 山田功
072 コンプリートマテリアル解剖実習 魂の疑似鉤・メキシコアワビ 斉藤良文
078 優しき水辺 斉藤幸夫
080 京浜ベイエリア・魚たちの食卓 餌生物から考える海のフライフィッシング 牧浩之
086 もっと遠くへ! もっと正確に! 松村将子
088 やっぱりフライは面白い、か? その1 ライズはまだ 続いている 久保一良
090 集中新連載 私的フライ・オリジナリティ論 増沢信二
094 日本釣り場論 ずっともっと自由な釣りを楽しみたい 谷剛/東京都漁場管理委員会潜入記/青柳純/水産庁・釣人専門官
105 やっぱりフライは面白い、か? その2 ヤングにはちょっと難しい 鈴木圭司
106 魚の数だけ楽しみがある!5 北海道を釣りまくる 杉山充
110 シニアにやさしいフライフィッシング2 フライフィッシャーマン的老眼対策決定版
116 人工産卵場作りはけっこう楽しい
118 釣り具の博物館で過ごす休日
121 やっぱりフライは面白い、か? その3 迷いはない。 小島満也
122 訪問者 碓井昭司
128 九重町界隈通信12 尺ヤマメ、請け負います 田中典康
130 ネルソンだより フライフィッシングガイドのシーズンオフ1–海遊び– キョーコ=マーフィー
144 読者通信
149 トラウト・フォーラム通信

内容紹介

フライの雑誌第67号-01
フライの雑誌第67号-02
フライの雑誌第67号-03
フライの雑誌第67号-04
フライの雑誌第67号-05
フライの雑誌第67号-06
フライの雑誌第67号-07
フライの雑誌第67号-08
フライの雑誌第67号-09
フライの雑誌第67号-10
フライの雑誌第67号-11
フライの雑誌第67号-12
フライの雑誌第67号-13
フライの雑誌第67号-14
フライの雑誌第67号-15
フライの雑誌第67号-16
フライの雑誌第67号-17
フライの雑誌第67号-18
フライの雑誌第67号-19
フライの雑誌第67号-20
フライの雑誌第67号-21
フライの雑誌第67号-22

特集-私の好きなフライリール

  • Love Me Do! あなたはこのフライリールを愛せますか
  • ハンドメイド・フライリール・コレクション40 小板橋伸俊
  • 小さなフライリール工房にて 横尾芳行
  • 自作フライリールの苦悩と至福 金子孝行
  • 哀しきコレクター 佳橋謙太
  • 巨大魚を狙うフライリール 梶明広
  • 変革するハウスオブハーディー川本勉
  • 対談フライリール・マニアックス 平野貴士×斉藤良文
  • 読者アンケート:愛されるフライリールの条件

フライリールがなくたって魚は釣れるが、フライリールがないフライフィッシングは断じてフライフィッシングではない。

ある意味でもっともフライフィッシングらしいフライフィッシング・タックル、フライリール。初心者からディープマニアまで、フライマンなら誰もがきっと心揺さぶられる、フライリールへの愛があふれる大特集です。

・・・回転する悦楽。

京浜ベイエリア/魚たちの食卓 餌生物から考える海フライ3 牧浩之
世界的にはポピュラーなのに、国内ではまったく研究されていない海のフライフィッシング。『フライの雑誌』は海フライの最先端を常に走り続けます。リアルタイムの研究を重ねる筆者による、海のフライフィッシング。秋から冬にかけての身近な海での手軽で面白いターゲット、メバルをフライで思い通りに釣るためのレポートです。今回はマッチザベイトとリアクションバイトの使い分け、メバル釣りに最適なタックルの選び方を考えます。

マラオとマラコの夫婦旅2
一羽のトリからフライを巻き終わったら次の釣り人へトリを送ります。次の人がトリを受け取ったらまた巻いて、次の人へとまたトリを送る。それを繰り返していきます。マラードダックの夫婦「マラオとマラコ」は、今回ついに津軽海峡を渡りました。タイヤー同士の真剣勝負を楽しみください。※参戦者募集中です。

コンプリート・マテリアル解剖 第5回 メキシコアワビ 斉藤良文
「トリばっかりやるのも飽きてきたので」(筆者)、今回のテーマは趣向を変えて「貝」。宝石のように光るメキシコアワビを取り上げました。どこが毛鉤なんだよというお叱りを避けるために、今回はフライという単語は一切使わず「擬餌鉤」で統一しました。題して、「魂の擬餌鉤」。

隣人のフライパッチ 6  山の湖、風まかせ
釣り場で出会った釣り人のフライパッチをのぞかせてもらう『隣人のフライパッチ』の第6回。湖好きの一部の釣り人の間でかなり噂になっていた日光大尻沼へ行って来ました。おそるおそる、しかし決然とお願いしました。 あなたのフライパッチ見せてください!(ついでにタックルも)。

悩まないフライマンたちへ3 初めての海フライ・テクニック 中馬達雄
『フライの雑誌』前号記事のなかで一番人気でした。読者からの反響がどさどさ届くので、伝説のフライマン、中馬達雄氏のテンション上がりまくりで、もう誰にも止められません(もちろん編集部にもとめられません)。中馬的フライフィッシングの世界へようこそ!

集中新連載 私的フライ・オリジナリティ論 増沢信二
孤高の博覧剛毅、増沢信二氏が満を持して『フライの雑誌』初めての連載登場です。徹底した研究と検証により、これまで常識とされていたことをことごとくひっくり返していく馬力に、ただただ圧倒されてください。「単にボディ材を中空ポリプロ系素材に変えた程度でオリジナルだ!と胸を張り、そしてそれをめでたいほどに評価するケース、実はゴロゴロしている」。「知名度と中身、必ずしも比例するにあらず」。造反有理の集中連載です。

日本釣り場論<拡大版>
特定外来生物法案、後戻りできないところまで来ている河川破壊、無秩序放流、役所の無責任、そして既存の釣り業界と有名業界人の無自覚・無策。いま、私たち釣り人を取り巻く状況は、これまでになく最悪です。このまま進めば、20年後の日本でフライフィッシングを楽しめるのは釣り堀しか残っていない、というようなことにもなりかねません。

そんな中、若手の釣り人を中心に、新しい視点から、いまのお先真っ暗な状況を打破しようという動きが出始めています。気鋭の発言を一挙掲載。『ルアーマガジン』誌との共同取材による、国内メディア初めての、水産庁・釣人専門官インタビューも実施しました。

東京都漁場管理委員会「潜入」記は、抱腹絶倒というか、都民として恥ずかしくて顔を伏せたくなるというか。。。必読。

シニアにやさしいフライフィッシング2
国内で初めて、釣り人の「加齢問題」に真っ正面から向き合った第一回には、予想を越えたたくさんの反響をいただきました。編集部一同ありがたいと同時に、なぜか妙にものがなしくなる今日この頃です。ご同輩、いっしょにがんばりましょうや。

加齢と共に釣り人を襲う、最大の問題は「老眼」。誰にも公平にやってくる「老眼」を乗り越えて、楽しくフライフィッシングを続けるにはどうしたらいいのか? どんな工夫があり、どんなグッズがあるのか?

隣人のフライボックス 67   山田功
…はじめてアマゴを釣り上げたとき、その美しさに罪悪感さえ覚えるような感激があった。フライロッドを持って渓に行き、昼食を食べる時間も惜しんで、一日中釣りをしていれば満足だった。だから、釣れると聞けばどこへでも行った。隣の県を飛び越えて、片道6時間かけて日帰りなんてことも平気だった。

…「しし座のO型。典型的な熱しやすく覚めやすい性格。だけど釣りだけはなぜか覚めやらぬ」。

『Mon様ボックス』、『尺~!』、『イブニングVSOP』、『Black3兄弟』…。経験と実績に裏付けられた、いかにも釣れそうなフライボックスです。来季の参考にぜひ!

月に酔うヤマメ 大潮の渓で何かが起こる 江本紀夫
…大潮という月の引力の影響を最も強く受ける日に、渓流でも、なにか神秘的な力が働くのではないか。
満月や新月の大潮の日は、交通事故の件数も増える。人は上げ潮に誕生し、下げ潮に死に逝く。

渓流魚と月の満ち干の関係に着目した驚きのレポートです。

心に残るあの一匹   渓流の一夜 小池要
… 焚き火をおこし、イワナは塩焼きにすることにした。途中のスーパーで買った地元産の完熟トマトにかぶりつく。一緒に冷やしておいたキュウリを頬張りながらイワナをひっくり返す。旨そうな油が滴り落ち、こうばしい香りが漂ってくる。キュウリを食べ終わるころには、いい具合に焼きあがっていた。…

釣り人なら誰にでも、忘れられない一匹の記憶がある。たった一人、暗やみの渓流で眠る一夜、いつまでも心に残るあの一匹。

道草の日々1 本村雅宏
…学校でも、仕事でも、家庭でもない省察し独立した身体がそこにある。どんな属性にも因らないが明らかにそれなしでは連続性を欠き、一体化がなしえない場所があり、ボクがいる。そこはどんな場所なんだろう。道草か。そうか、道草だ。これは、きっと道草だ。

深い思索の上に書かれた上質な文章を愉しむのもフライフィッシングのひとつの喜び。「宇奈月小学校フライ教室日記」の筆者による新連載コラムです。

訪問者  碓井昭司
…この流れのすぐ上流にダムができる以前、一帯は鮎の魚影が濃く、夏大臣、冬乞食とよばれて、夏の鮎漁の収入だけで一年を過ごした男たちが住んでいたが、今は人影を見ることもめったにない。釣り人にも忘れ去られて、ただ茫々と水が流れているだけの川のほとりに座りこんで、老人が一人、竿を出しているのである。

老人は起きているのか、それとも眠りこけているのか、私には判断をすることができなかった。その老人は目の前を流れていく時間を、ただ眺めているだけなのかもしれなかった。私は谷に降りてその老人の姿を認めると、竿をつなぎ、フライラインを飛ばしながら老人に近づいて行った。…

新刊単行本「丹沢物語」が大好評。「丹沢物語」筆者による極上のフライフィッシング・エッセイ。

ネルソンだより13 フライフィッシング・ガイドのオフシーズン1 キョーコ=マーフィー
…スシ・ショップの店頭に彩り鮮やかに並べられたマグロやサケの握り寿司を見つつ、最初彼等は疑わしげな目つきで言う。

「これらは本当に生なのか」

そして、恐る恐る口にして初めて、

「うん、これは結構イケるじゃないか」

ということになる。生だろうが何だろうが美味いものは美味い、という評価が下る。
アイザック・ディネーセンの『バベットの晩餐会』という小説があった。謹厳な宗教戒律を守り年中黒ずくめの衣服で質素な生活を送る寒村。ある日宝くじに当たった老婦人バベットは大金の使途を考えあぐねた挙句、村人全員に最高の料理をふるまう晩餐会を開く。その夜、暗い村人達の顔に初めて至福の笑みが浮かぶ。味覚に関して人間の舌は嘘がつけない。

…ニュージーランド在住のキョーコ=マーフィー氏による、人気連載第13回。

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