山梨県が放射能を調べない。釣人専門官に相談しよう

『フライの雑誌』第94号に「富士五湖のワカサギは放射能を調べていない」というコラムを書いた。ほぼ同内容を本サイトでも公開している

「西湖でヒメトロ」というブログがある。西湖のヒメマス釣りが大好きなブログ主は、安心して釣りをしたいので、西湖ヒメマスの放射性物質検査を山梨県へ要望した。行きつけの地元の船宿も検査に賛同してくれた。

しかし山梨県農政部の水産担当は、「安全だから必要ない」の一点張りで動こうとしない。やる気がない県に対して、西湖を愛する釣り人同士が建設的に議論している熱いコメント欄がとても興味深い。

このブログ主が『フライの雑誌』93号の東北特集と94号の水口憲哉氏の記事を読んでくれて、編集部に連絡をくださった。それを受けて編集部では昨日〈釣り人ですけど、富士五湖のヒメマスとワカサギの放射性物質検査をしてください〉と山梨県へお願いしようという呼びかけを、facebooktwitterで行った。

さっそく昨日と今日でたくさんの方が山梨県へ電話してくれた。ところが今日の山梨県とのやりとりは例えばこんな感じだったという。

「釣り人ですけど、富士五湖のヒメマスとワカサギの放射性物質検査をしてくれませんか」
「隣県で検出されれば山梨も検査します」
「芦ノ湖のワカサギから出ていますが?」
「国の基準の500ベクレルを超えていませんから」

富士五湖へ釣りに行きたいけれど、放射能検査が行われていないから今年は行けない、という釣り人は多い。これからがワカサギとヒメマス釣りの最盛期だが、今年は山梨県内で釣りを楽しむ釣り人が減るかもしれない。

風評被害を作っているのは山梨県である。

ふと思いついた。この件について、釣り人が困ったときの国の窓口である、水産庁の釣り人専門官に相談してみてはどうか。

水産庁はHPに〈これまで(10月26日現在)の水産物の放射性物質調査において、アユ、ヤマメ、ウグイ、ワカサギ、イワナ、ホンモロコ(養殖)で暫定規制値を超える値が検出されており、引き続き、淡水域の水産物についても広く調査を行います。〉と明記している

釣り人は困っている。きっとなんらかの対応をしてくれるのではないか。

●〈釣り人ですけど、富士五湖のヒメマスとワカサギの放射性物質検査をしてください〉
山梨県農政部水産担当(tel.055-223-1610)

●水産庁沿岸沖合課 釣人専門官
TEL 03−3502−7768 FAX 03−3501−1019
turibito_iken@nm.maff.go.jp
釣人専門官とは(『フライの雑誌』HPより)